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2022年

日本水産学会(監)片山 知史(編)和田 敏裕(編)河村 知彦(編)

東日本大震災から10年 海洋生態系・漁業・漁村

恒星社厚生閣(2022年12月刊)

186ページ / A5判 ISBN:978-4-7699-1689-5 価格:4,100円(税別)

東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の発生から11年の歳月が流れた。本書では、東日本大震災による海洋生態系の変化とそれに伴う漁業への影響、発災から10年を経過した被災地の地域社会への影響と残された課題について改めて俯瞰的に整理した。三陸・常磐沿岸域に及ぼした直接的、間接的影響を科学的に解明し、記録として残すことは日本の研究者に課せられた最低限の責務である。その責務を果たせたのか、また、それが被災地の水産業や地域社会の復興に貢献したのか、を今一度振り返り、被災地域の復興・発展や生態系の保全に今後何をすべきか、さらには、今後世界のどこかで再びこのような災害が発生した時に何をすべきかを考えたい。(河村 知彦)

馬場 友希・福田 宏(編)

新種発見! 見つけて、調べて、名付ける方法

山と溪谷社(2022年12月刊)

224ページ / 四六判 ISBN:978-4-635-06320-3 価格:1,870円(税込)

新種の生物がどのように見つかったか、それにどんな学名・和名を付けたか、ましてやその過程でどれだけ苦労したかは、科学どころか分類学においても全く重要ではない。にもかかわらず「新種発見のエピソード」は何故か人を強く惹きつけるようである。新種の数だけ物語がある。本書では4歳児から百戦錬磨の研究者まで、様々な立場の21人がかかわった19のエピソードが紹介される。新種が見つかるのは深海や密林の奥だけではなく、自宅の駐車場やSNS上だったりもする。2019年に大槌湾から記載した「オオヨツハモガニ」発見のエピソードをツイッター上で披露したところ、執筆者として声がかかった。新種も人との縁もどこに転がっているかわからない。(大土 直哉 ※分担執筆)

佐藤 克文(著)きのした ちひろ(画)

なぜ君たちはグルグル回るのか 海の動物たちの謎
たくさんのふしぎ 2022年11月号

福音館書店(2022年11月刊)

40ページ / 25×20cm  ISBN:― 価格:770円(税込)

小学校高学年向けの絵本です。私(佐藤)が文章とストーリーを構成し、絵を描いてくれたのは当研究室で学位を取得した木下千尋さん。バイオロギングによって明らかになった研究成果と、新たに見つかった謎の行動を紹介すると共に、大学院生が楽しそうに野外調査やデータ解析に勤しむ様子を描写しました。絶対的な自信作なので、是非!(佐藤 克文)

真鍋 淑郎(著)・アンソニー・J・ブロッコリー(著)・阿部 彩子(監訳)・増田 耕一(監訳)・宮本 寿代(訳)

地球温暖化はなぜ起こるのか 気候モデルで探る 過去・現在・未来の地球

講談社ブルーバックス(2022年6月刊)

312ページ / 新書判 ISBN:978-4-06-528081-2 価格:1,300円(税別)

地球温暖化、そして「気候変動」は、どうすれば解明することができるのか?
2021年、ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎博士。この受賞は「気候システム」という複雑系の物理分野に贈られた初のノーベル賞でもありました。その「気候システム」という遠大な謎への挑戦が、本書では詳細に語られます。
この研究の成果は、非常に高い精度で「地球温暖化」の予測を可能にしていることも知られています。シミュレーションの中で、CO2の濃度を変化させていったときに、どのような結果が表れるのか。その結果は、カラーの図や白黒の原図とともに本書の随所でていねいに解説されています。
地球温暖化とはなにか? それは、どう考えるべきものなのか?
いま大きな科学、社会的な関心事でもある地球温暖化についても、深い理解を得ることができます。

※阿部彩子 教授が監訳を担当しました。

大片 忠明(作)・北川 貴士(監修)

かがくのとも 2022年5月号『マグロ』

福音館書店(2022年5月刊)

28ページ / 25×23cm ISBN:― 価格:440円(税込)

クリアカットで分かりやすいが、科学リテラシーとしてはやや残念な知識が氾濫しているこの時代、今一度、生物が命を繋ぐ営みについて知っていただきたく、5~6歳の子供向けの絵本を監修する機会を得ました。クロマグロはトップクラスの速さで泳げる魚ですが、孵化したばかりの仔魚は3mmほどの大きさで、生態ピラミッドの裾野にいます。そこから短期間で一気にその頂点近くまで大人への階段を駆け登りつめます。この綺麗な絵本にはそんなクロマグロの生態が迫力満点に描かれています。編集担当者が鰭の先端の色合いにまで気を配られ、文章のリズムを何度も確認されていたのが印象に残っています。(北川 貴士)