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2019年

Barbara A. Block(編)

“The Future of Bluefin Tunas: Ecology, Fisheries Management, and Conservation”

Johns Hopkins University Press(2019年8月刊)

360ページ / 26.7×19.7×3.2 cmおよびKindle版 / ISBN-13:978-1421429632価格:10,614円(Kindle版12,176円)

2016年1月に米国カリフォルニア州モントレーで国際シンポジウム「The Bluefin Futures Symposium」が開催された。本書は、シンポで発表されたBluefin tuna 3種(クロマグロ、タイセイヨウクロマグロ、およびミナミマグロ)についての科学研究、資源評価、管理政策に関する最新の成果や情報をまとめたもので、読者には3種の持続的利用について考える種を与えてくれている。北川は「Migrations of Pacific bluefin tuna tagged in the western Pacific Ocean」という章で、この25年ほどで分かってきた日本周辺海域での本種の回遊・行動生態について紹介している。(北川 貴士)

中島映至・大原利眞・植松光夫・恩田裕一(編)

“Environmental Contamination from the Fukushima Nuclear Disaster: Dispersion, Monitoring, Mitigation and Lessons Learned”

Cambridge University Press(2019年8月刊)

354 ページ / 17.8 x 2.1 x 25.3 cm およびKindle版 / ISBN:978-1-108-47580-8
価格:14,488円(Kindle版12,900円)

2011年3月に発生した福島第一原子力発電所事故は、放射性物質の漏洩による深刻な環境影響をもたらしました。当時の季節風と海流によってこれらの物質は我が国のみならず広域に拡散しました。本書は、この未曾有の事故が及ぼす環境影響に関する知見の集大成を目指して、このほど、ケンブリッジ大学出版局から出版されました。放射性物質が大気・海洋・陸域においてどのように拡散・沈着したのか、その実態を把握するためにどのような大気観測・海洋観測・土壌マッピング・森林や生態系の調査が実施されたのか、モデルによるシミュレーションはできたのかなどを紹介します。また、海外からの寄稿を含めて、当時、研究者等がどのように調査・研究に取り組んだのかについても、次世代へのメッセージのために記載しました。2014年には同題邦書が東大出版会から刊行されましたが、本書にはそれ以降の研究成果も盛り込まれています。本書が、将来の同様な大規模災害において自然科学者、社会科学者、技術者、政策決定者が対策を講じる際の一助になることを願っています。(中島 映至)

佐藤克文(監修)・ペンギン飛行機製作所(製作)

「できなくたって、いいじゃないか! あきらめた いきもの事典」

サンマーク出版(2019年7月刊)

139ページ / B6判 ISBN:978-4-7631-3771-5 C8045 価格:1,100円(税別)

「環境の変化に対して生物が生き様を変えることで多様な種が進化してきました」、なんて調子でインタビューに答えていたのですが、「小学校低学年の子どもにはわかりません」とNGを出されました。何度もダメ出しを喰らった結果、「ペンギンは飛ぶことをあきらめました。代わりに海の中を泳げるようになったよ」といった調子で、種ごとのトリビアを伝える形の本になりました。「人間は何をあきらめたのですか」と尋ねられ、とっさに答えた内容が、後々考えてみてもなかなか良い出来でした。本の最後にそれが紹介されています。専門家らしい厳密な記載をあきらめた結果、わかりやすい内容になったような気がしています。ライターさんに感謝です。(佐藤 克文)

わたなべ すがこ(著)

「~脱力系コミックエッセイ~重症筋無力症とほほ日記【改訂版】」

三輪書店(2019年4月刊)

180ページ / A5判 ISBN:978-4-89590-655-5 価格:1,600 円(税別)

「あなたのような人が"せっかく"病気になったのだから、絵に描けばいいんじゃないの?」
見た目でわかりにくい病を得て間もない2003年夏、友人のひと言がきっかけで描き始めましたが、病との日々は、それまで見えていなかった世界に対して目を見開かされることばかり。人に伝えずにはいられない「発見の連続」でした。青年期の自分が、原因不明で治療法が未確立という希少・難治性疾患にかかるとは思いもしませんでしたが、こうした疾患は、人類の多様性の中で一定の割合で発症することが必然だそうです。超高齢化を迎える日本で、病気や障害を持って働く人も少数派ではなくなるかも、私は時代の最先端を走っているのでは?と妄想しています。(渡部 寿賀子)

Takeyoshi Nagai, Hiroaki Saito, Koji Suzuki, Motomitsu Takahashi(編)

“Kuroshio Current: Physical, Biogeochemical and Ecosystem Dynamics” 

American Geophysical Union(2019年4月刊)

336ページ / PRINT, E-BOOK, O-BOOK
Print ISBN: 978-1-119-42834-3
E-BOOK ISBN: 978-1-119-42831-2
O-BOOK ISBN: 978-1-119-42842-8
DOI: 10.1002/9781119428428
価格:$199.95 (PRINT), $159.99 (E-BOOK)

北太平洋の西岸境界流である黒潮について、物理、化学、生物過程および漁業生産の変動機構に至る最新の研究成果が掲載されている。貧栄養で基礎生産が低いのにも関わらず高い漁業生産が達成される”黒潮のパラドックス”の謎が、海洋観測と数値モデル研究により解明されている。また、北大西洋のメキシコ湾流との比較を行うことにより、黒潮の特徴を明らかにしている。日本の文化や気候にも影響を与えている黒潮を包括的に理解するために必読の一冊である。(齊藤 宏明)