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豪雪をもたらす線状の降雪帯、JPCZの構造とメカニズムを 日本海洋上観測により明らかにした

2022年12月23日

三重大学
水産大学校
新潟大学
東京大学 大気海洋研究所
気象庁 気象研究所

立花義裕(三重大学大学院生物資源学研究科教授・筆頭著者)、本田明治 (新潟大学教授)、西川はつみ(東京大学大気海洋研究所特任研究員)、川瀬宏明(気象庁気象研究所主任研究官)、山中晴名(三重大学大学院生)、畑大地(新潟大学大学院生、柏野祐二(水産大学校教授)の研究グループは、豪雪をもたらす線状の降雪帯、JPCZの構造とメカニズムを日本海洋上観測により明らかにしました。研究の概要と概略図は以下のとおりです。

日本に豪雪をもたらすJPCZ(日本海寒帯気団収束帯) を横断し、1時間毎の洋上気球観測によってその実態を捉えることに成功しました。
■JPCZは、「大気の川」のような構造を持ちます。気流がJPCZに収束することに伴い、周囲の海面から蒸発した水蒸気がJPCZに集中します。このJPCZが河川の本流に相当します。日本海の広い範囲の暖かい海面から蒸発した水蒸気がJPCZへ集まりそれが風下へ移動するさまは、たくさんの支流(branch)の水が本流に集まり、下流へと流れる「川」と同等です。またJPCZは帯状に伸びることから、いわば「線状の降雪帯」と言えます。
■「支流」から「本流」に相当するJPCZに水蒸気が集中し、強い雪雲となり豪雪となります。集中量を降雪に換算すると7時間で1メートルの降雪に相当し、この降雪量の約9割は支流からの水蒸気の集中がもたらします。
■「支流域」に相当する海域は、暖かい対馬暖流です。暖流の上に強風が吹き、大量の水蒸気が海から大気へ供給され、暖かい対馬暖流の影響でJPCZが維持されます。
■JPCZは、一旦発生すると持続する機構(self-sustaining mechanism)を持ちます(詳細は図とプレスリリースの本文参照)。
■気象庁気象研究所の数値シミュレーションでも、観測事例を概ね再現出来ました。ただし気象衛星ひまわりから推定された日本海の海面水温は、我々が観測した水温よりも約2℃低いことからJPCZを過小評価していた可能性があります。

詳しくはこちらをご覧ください。
  三重大学プレスリリースこのリンクは別ウィンドウで開きます(2022年12月23日)

プレスリリース

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