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深海に滞留する燃焼由来の溶存物質 ~太平洋深海における溶存黒色炭素の除去プロセスを発見~

2022年1月14日

北海道大学
東京大学 大気海洋研究所

北海道大学大学院地球環境科学研究院の山下洋平准教授と、同大学大学院環境科学院(研究当時)の中根基裕氏、森雄太郎氏、同大学低温科学研究所の西岡 純教授は、東京大学大気海洋研究所の小川浩史教授と共同で、太平洋に燃焼の副産物である溶存黒色炭素が普遍的に存在すること、太平洋深海から溶存黒色炭素が除去されていることを明らかにしました。

森林火災や化石燃料燃焼に伴い不完全燃焼産物である煤や炭などの熱成炭素が生成されます。熱成炭素の多くは、環境微生物による分解を受けにくく、土壌や海洋に蓄積されやすいことから、地球表層の炭素循環から二酸化炭素を隔離する機能を有すると考えられています。陸上の燃焼活動により生成された熱成炭素の一部は水と共に移動できる形態である溶存黒色炭素に変質し、河川を経由して海洋へと輸送されることが知られています。しかし、海洋へと輸送された溶存黒色炭素が、どのように分布し、どのように挙動するのかは不明でした。そこで研究グループは、南緯40度から北緯54度までの太平洋全域における観測を行い、溶存黒色炭素が太平洋に普遍的に存在すること、太平洋深海中の溶存黒色炭素の濃度は深層水循環に伴い減少することを世界で初めて明らかにしました。また、溶存黒色炭素濃度と溶存酸素濃度との関係から、沈降粒子に溶存黒色炭素が吸着され、深海から除去されることが判明しました。

本研究成果は、地球全体での熱成炭素の収支を解明する上で欠かせない成果であり、気候変動によって変わりつつある森林火災と炭素循環の関係を正しく理解する上でも貴重な知見となります。

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