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マントルに広がる「物質のムラ」 その空間スケールを初めて物的証拠で特定 ―中央海嶺の溶岩が明かす、“均質化しやすさ”を秘めた上部マントルの実像―

2025年7月10日

学校法人 千葉工業大学
国立大学法人 東京大学
独立行政法人 国立科学博物館

千葉工業大学・次世代海洋資源研究センターの町田嗣樹上席研究員と、東京大学・大気海洋研究所の沖野郷子教授、同大学院工学系研究科、国立科学博物館理工学研究部(当時)による共同研究グループは、マントルプルームと呼ばれる地球深部から上昇する大規模な流れにより上部マントルにもたらされた「物質のムラ」(不均質性)の空間スケールが、10 km未満であることを特定しました。これは、中央インド洋海嶺の火山活動によって作られた溶岩という物的証拠にもとづく成果です。溶岩の詳細な化学分析により、不均質性の原因は、地球深部に蓄積されていたかつて地球表層にあったプレートの岩石(リサイクル物質)であり、それらはマントルプルームによって直接上部マントルに運ばれてきていることが確かめられました。さらに、プレートの運動に伴って海嶺が移動する過程で生じた溶岩の組成変化を追跡することで、上部マントルにおける不均質性の空間スケールを特定しました。10km未満という値は、従来の地震波観測に基づく推定値(100kmオーダー)に比べて約10分の1以下で、上部マントルがこれまで考えられていたよりも短時間で物質が混ざり均質化しやすい構造であることを示しています。今回の成果は、地球の内部構造に対する私達の理解に新たな視点をもたらし、地球内部で進む “代謝” のような物質の再利用プロセスを明らかにする手がかりとなります。

詳しくはこちらをご覧ください。
  千葉工業大学プレスリリースこのリンクは別ウィンドウで開きます(2025年7月10日)
  東京大学工学系研究科リリースこのリンクは別ウィンドウで開きます(2025年7月10日)

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