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プレート境界断層スロー地震発生域から海底面までつながる流体経路を発見 ―沈み込む海嶺が作る上盤プレート破砕帯のイメージングに成功―

2023年9月20日

海洋研究開発機構
東京大学地震研究所
高知大学
東京大学大気海洋研究所

国立研究開発法人海洋研究開発機構 海域地震火山部門の新井隆太副主任研究員らは、南海トラフ最西端に位置する日向灘において屈折法地震探査および反射法地震探査を実施し、それらの地震波データを解析しました。その結果、海底面からプレート境界(深さ10-13km)まで鉛直方向につながる幅数kmの低速度体が上盤プレート内に複数存在することを発見しました。これらの低速度体は、南東側から沈み込む九州パラオ海嶺(起伏に富んだ海山群)によって上盤プレートが強く破砕された場所であると解釈されます。また、この破砕帯は流体を豊富に含むスロー地震の発生領域と連結していることを明らかにしました。上盤内の破砕帯はプレート境界等の地殻深部から上昇してくる流体の経路となっており、その一部は海底面に泥火山を生じていると考えられます。

本研究における地震波データの詳細な解析を通じて、九州パラオ海嶺が沈み込むことで生じる上盤プレート内およびプレート境界周辺の複雑な地殻構造が明らかとなりました。これらの成果は、プレート沈み込み帯における流体循環および巨大地震やスロー地震の発生機構を理解するうえで重要な知見となると考えられます。

本研究は、日本学術振興会科研費(課題番号:16H06475, 19H04629, 21H05202, 22K03789)の支援により行われたものです。本成果は、英科学誌「Nature Communications」に9月20日付け(日本時間)で掲載されました。

詳しくはこちらをご覧ください。
  海洋研究開発機構プレスリリースこのリンクは別ウィンドウで開きます(2023年9月20日)

プレスリリース

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