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二酸化ケイ素が地球表層の窒素を地球超深部へ運ぶ

2020年7月2日

東京大学 大学院理学系研究科
東京大学 大気海洋研究所
広島大学
愛媛大学

窒素は大気の主要成分であり、生命活動にも欠かすことができない重要な元素である。しかし、地球全体で考えると窒素の濃度は他の揮発性物質と比べて著しく低く、その原因は謎に包まれている。現在のところ、地球の進化過程で揮発して地球外に窒素が飛散した可能性や、地球深部に窒素が貯蔵されている可能性が指摘されている。
東京大学大学院理学系研究科附属地殻化学実験施設の鍵裕之教授、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程3年の福山鴻大学院生らの研究グループは、地球深部(深さ約750-800km)の温度、圧力、酸素分圧を再現した高温高圧実験によって地球深部の鉱物を合成し、二次イオン質量分析法(NanoSIMS)による局所分析によって窒素の溶解度を測定した。その結果、スティショバイトに400ppmもの高濃度で窒素が溶け込むことがわかった。
スティショバイトは地球表層の堆積物や大陸地殻が沈み込む過程で生成し、下部マントルまで分解せずに到達することから、スティショバイトが地球表層の窒素を下部マントルまで運びうることが示された。現在の大気中の窒素濃度は78%であるが、本研究の結果は過去の大気の窒素濃度が現在よりも高かったことを支持し、暗い太陽のパラドックスを解決に導くかもしれない。

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  東京大学理学部プレスリリースこのリンクは別ウィンドウで開きます(2020年7月2日)

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