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2011年東北地方太平洋沖地震による海底の破壊と土砂の堆積―震源域の広い範囲にわたって引き起こされた海底の擾乱―

2011年10月20日

独立行政法人 産業技術総合研究所
国立大学法人 東京大学大気海洋研究所
国立大学法人 横浜国立大学

サンプル

・ 仙台沖~大槌沖から採取した海底堆積物中に複数のタービダイトを確認
・ 地震動で海底が破壊された後にタービダイトが堆積
・ 海底堆積物の解析が地震発生履歴の解明につながることを期待


独立行政法人 産業技術総合研究所(理事長 野間口 有)地質情報研究部門(研究部門長 栗本 史雄)池原 研 副研究部門長と国立大学法人 東京大学(総長 濱田 純一)大気海洋研究所(所長 新野 宏)、国立大学法人 横浜国立大学(学長 鈴木 邦雄)は、7月29日~8月5日に学術研究船「淡青丸」(610トン、独立行政法人 海洋研究開発機構 所有)による海底調査を実施し、仙台沖~大槌沖の海底堆積物表層に平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震により堆積したと考えられるタービダイト(注1)を認めると共に、仙台沖において地震動で変形した堆積物を発見した。変形した堆積物はタービダイトの直下にあるので、海底が破壊された後にタービダイトが形成されたと考えられる。これらの結果は、今回の地震よる海底の擾乱(破壊、変形や崩壊)が震源域の広域で起こったことや海底の震動が極めて大きかったことを示すほか、海底堆積物を用いて地震発生履歴を検討する上で非常に重要である。

注1: タービダイト
  混濁流から堆積した堆積物。一般に、上に向かって粒度が細かくなる構造や平行/斜交葉理(平行あるいは斜めの縞模様、図3のスケッチにみられるタービダイト中の細い線)などの構造を持つ。地震による海底斜面の崩壊により発生した混濁流から形成される場合があり、深海底において過去の地震発生履歴を知るための道具の一つとして使われる。地震だけでなく、洪水や大波などでも形成される。


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