2015年
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海洋細菌由来新規ロドプシンによる、光によってナトリウムイオンを細胞外へと運び出す仕組みの解明
これまで太陽の光エネルギーを利用している海洋生物は、クロロフィルを持つ光合成生物、すなわち植物や植物プランクトンとの考えが常識でした。しかしながら近年の研究から、光を用いて水素イオン(H+)を輸送することで太陽の光エネルギーを利用するプロテオロドプシンと呼ばれる光受容タンパク質が海洋表層に生息する細菌の間に普遍的に存在することが示され、この常識は崩れつつあります。また、2013年に光エネルギーを用いてナトリウムイオン(Na+)を輸送するロドプシン、2014年には塩化物イオン(Cl-)を輸送するロドプ..
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◆テンジクダイ科約360種中の120種を用いて分子系統解析を行ったところ、形態形質に基づく伝統的な分類体系(2亜科23属15亜属)と多くの点で一致しない系統樹が得られた。 ◆この分子系統樹を基礎として形態形質の再検討を行い、従来とは大幅に異なる分類体系(4亜科14族38属)を提唱した。 ◆日本に分布する種を含みながら標準和名のない多くのグループ(3亜科13族9属)に、命名のルールを設定した上で新しい標準和名を与えた。..
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ホモ・サピエンスのアフリカ進出時の陸域環境復元 〜植生の増加が進出を後押し〜
発表の概要: ホモ・サピエンスのアフリカ出発時の環境を明らかにすべく、アデン湾で学術研究船「白鳳丸」を用いて採取された海底堆積物コア中の長鎖n-アルカンフラックスの変動を復元した。出発時に周辺陸域の植生量が増加し、食糧の増加などホモ・サピエンスの進出に適した環境が形成されていた可能性が示唆された。..
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発表のポイント: ◆マッコウクジラ17個体にカメラを取り付け、計一万七千枚の画像を得た。 ◆水面から深度300mにかけて他のマッコウクジラが写っており、一緒に潜降する様子や体を触れ合わせる様子が撮影された。 ◆深度800メートル付近でクジラが高速で遊泳し、姿勢を急に変えた直後にイカの墨と思われる画像が撮影された。マッコウクジラが活発に餌を追尾し頭足類を捕食していることの傍証を得た。..
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発表のポイント: ◆マンボウが主に深度100~200mでクダクラゲ類を食べていることを発見した。 ◆マンボウが餌を食べる間に下がった体温を海面の温かい水で効率よく回復することが明らかになった。 ◆マンボウが体温を回復するのにかかる時間を抑え、餌を食べる時間を最大にする採餌戦略をとっていることが明らかになった。..
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典型的なマントル起源物質である中央海嶺玄武岩の精密分析と海底熱水データの解析から、これまで未知であった硫黄のグローバル深部循環を世界で初めて明らかにした。..