東京大学 大気海洋研究所50年史 1992-2001 東京大学 大気海洋研究所50年史 1992-2001

第4章 大気海洋研究所の組織と活動

4-2 教育・啓発活動の推進

4-2-4 教科書などの作成

教科書などの書籍やデジタルデータベースなどの作成と出版・公表は,重要な教育・啓発活動のひとつである.本所のメンバーは,これらの作成にも力を注いできた.この間,個々のメンバーが関わった多数の書籍が出版されている.海洋研究所編,気候システム研究センター編あるいは大気海洋研究所編,ないしそれに準ずる形で作成された教科書的な書籍の主なものには,『海洋のしくみ』(1997年),『海洋観測マニュアル』(2006年),『暑いだけじゃない地球温暖化―世界の気候モデルから読む日本の将来』(2011年)があり,また,小・中学生向けの『海の大研究』(2009年)などがある[➡資料2―7―3].また,海洋研究所監訳の教科書である『海洋学』(2010年)が出版されている.『海洋生命系のダイナミクスシリーズ』全5巻(2005~2009年)は,海洋生物系の教育や普及活動において準教科書的に使用されることが多い.これら以外に,シンポジウムや国内・国際共同研究の成果を取りまとめた報告書が数多く発刊されている[➡資料2―7―3].近年では,デジタルデータベースの作成と公開も重要な活動となっている.主なものに,「全球雲解像モデルNICAMデータベース」,「地球表層圏データベース」,「魚類ミトコンドリアゲノムデータベース(MitoFish)」,「全海洋動物プランクトンセンサスデータベース(CMarZ-Asia Database)」などがある[➡資料2―7―4].これらは,インターネットを通じて全国・全世界に公開されている.オンライン公開準備中のデータベースも多く,今後,さらに活発な情報公開が進むものと考えられる.