東京大学 大気海洋研究所50年史 1992-2001 東京大学 大気海洋研究所50年史 1992-2001

序章 発足からの50年間をふりかえって

0-1 はじめに

大気海洋研究所は,本学の1部局として,また全国共同利用施設として,海洋科学と気候科学に関する研究教育に貢献してきた.研究に関しては,各専門分野で先端的・先導的研究を行ってきたと自負している.詳細は第5章をご覧いただきたい.教育面では第4章の教育・啓発活動の推進[➡4―2],第5章の研究系と研究センターの活動に加えて,資料の博士論文と修士論文のリスト[➡資料2―4―22―4―3]をご覧いただきたい.そこに,海洋・気候研究に関する研究者として活躍してきた,あるいは活躍している多くの人々の名前を見つけることができる.本所に在籍して大学院を修了した人々が研究機関のみならず官公庁や民間会社など社会で活躍している.一般市民などへのアウトリーチ活動も活発に行っている.

学界にも多大の貢献をしてきた.本所教員が学会長を務めた学会は日本海洋学会,日本気象学会,日本気象予報士会,日本流体力学会,水文・水資源学会,海洋調査技術学会,日本地球化学会,日本大気化学研究会,日本魚類学会,日本プランクトン学会,日本微生物生態学会,水産海洋学会,International Radiation Commissionである[➡資料2―8―2].多くの教員が学会や国際研究機関の役員,学会誌編集委員などを経験している.政府間海洋学委員会(IOC)など政府間組織の委員を務め,政府や地方公共団体の政策決定に科学的助言を行い,またアウトリーチ活動を通じて,社会に貢献をしている.