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シャコに寄生する謎多き巻貝の起源を解明 -巣穴の中の居候から体表寄生者へと進化-

2021年7月7日

狩野泰則(東京大学大気海洋研究所 底生生物分野)

後藤龍太郎 京都大学フィールド科学教育研究センター助教、加藤真 京都大学人間・環境学研究科教授、髙野剛史 目黒寄生虫館研究員、Douglas J. Eerniesse カリフォルニア州立大学フラトン校教授、狩野泰則 東京大学大気海洋研究所准教授らのグループは、DNA情報に基づく分子系統解析を行うことで、甲殻類のシャコの腹面に寄生して暮らすイシカワシタダミの系統的位置を明らかにしました。

その結果、この巻貝は従来分類されてきたシロネズミガイ上科ではなくクビキレガイ上科という別のグループに入ることが判明し、さらにその中で干潟の動物(シャコやユムシ)の巣穴内に共生する巻貝の系統に内包されることが明らかとなりました。このことは、自由生活性の祖先から、宿主の巣穴内に居候する片利共生者を経て、シャコ類の体表に付く寄生者へと進化してきたことを示唆しています。寄生性の獲得に至る段階的な進化の過程が示された例は少なく、海洋における寄生生物の起源や進化を理解する上で重要な知見であると考えられます。

詳しくはこちらをご覧ください。
  京都大学プレスリリースこのリンクは別ウィンドウで開きます(2021年6月29日)

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