東京大学海洋研究所

全国共同利用・共同研究拠点

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所長挨拶

大気海洋研究所の将来

東京大学大気海洋研究所・所長 津田敦

大気海洋研究所では、海洋と大気およびそこに暮らす生物の複雑なメカニズム、そして地球の誕生から現在に至るこれらの進化と変動のドラマを解き明かし、人類と地球環境の未来を考えるための科学的基盤を与えることを目的として研究を進めています。また、共同利用・共同研究拠点として、研究船白鳳丸・新青丸をはじめ柏キャンパス・岩手県大槌 キャンパスの陸上研究施設、気候の数値モデル等を国内外の研究者の皆様に提供し、共同研究を推進しています。一方、教育面においては、海洋・大気・地球生命圏に関する高度な専門的知識と想像力を兼ね備え、かつ国際性と開拓者的精神を持った、次世代の大気海洋科学を担う若手研究者の育成にも力を注いでいます。

四方を海洋に囲まれ、領海と排他的経済水域を併せると世界第6位の面積を持つ我が国にとって、また、古くから海の生き物を食料として用いてきた日本人にとっては、海洋を賢く使うことおよびそれを支える研究無くしては、生活や社会を維持していくことは難しいでしょう。当所では、物理学・化学・地学・生物学・生物資源学などの多様な分野の研究者が連携して、科学的・社会的に重要な海洋と気候の研究を推進しています。現在の大気海洋研究所は、以前は中野キャンパスにあった海洋研究所と平成17年に駒場キャンパスから柏キャンパスに移転した気候システムセンターが平成22年に統合して、柏キャンパスにできた研究所です。それから5年が経過し、海洋研究と気候研究の発展 的融合が進むとともに、平成26年4月からは、高解像度環境解析研究センターを新設するなど、大気海洋研究所は現在、発展的安定期に入ったと言えます。

一方で早急に解決すべき課題もいくつか抱えています。岩手県大槌町にある附属国際沿岸海洋研究センターは東日本大震災で壊滅的被害を受けました。被災直後から一部の施設を仮復旧させ、大槌での共同利用・共同研究を再開しており、津波による生態系の破壊の実態とその再生過程の解明を中心課題として、震災前以上に活発な研究活動を行っております。現在、大学本部と文部科学省のご支援をいただき鋭意復旧に取り組んでいますが、研究棟とその付属施設の再建はいまだ実現しておらず、早期の再建を果たさなければなりません。また、我が国の研究船共同利用のフラッグシップである白鳳丸は、建造から25年が経過して老朽化が進んでおり、白鳳丸による共同利用・共同研 究の運営を仰せつかっている当所としましては、白鳳丸の代船への道筋を早期に付けたいと考えています。

当所は、今後も世界の先頭に立って大気海洋科学研究を推進すると共に、共同利用・共同研究の一層の充実に取り組んでいく覚悟です。皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

(2015年4月)