ナビゲーションを飛ばす

教職員募集 所内専用go to english pageJP/EN

facebook_AORI

instaglam_AORI

国際沿岸海洋研究センターの新船「グランメーユ」進水式

更新日:2011年12月28日

大竹 二雄(教授・国際沿岸海洋研究センター長)

大気海洋研究所附属国際沿岸海洋研究センター(以降、沿岸センター)の新船「グランメーユ」(仏語で「大きな木槌」、「大槌」という意味)の進水式が8月22日(月)午後1時から岩手県大槌町の大槌町漁業協同組合漁港で行われました。あいにくの小雨でしたが、船を建造した有限会社須賀ケミカル産業の須賀 正社長らの立会いのもと、地元の漁業関係者数名が見守るなか、大気海洋研究所 新野 宏所長と沿岸センター 大竹二雄センター長が清めの日本酒を船首、キャビン、船尾、エンジンに緊張した面持ちで注ぎました(写真1~5)。グランメーユは有限会社須賀ケミカル産業が営業再開後の建造第一船を提供してくれたものです(写真6)。漁船の建造依頼が殺到する中、沿岸センターでの復興研究推進のためにとの須賀社長の格別の配慮に改めて気が引き締まる思いでした。グランメーユは重量1.8t、全長10m、全幅2m、乗船定員10名、ホンダ製115馬力船外機を搭載し最大24ノットで航走できます。また、沿岸域での観測を安全かつ効率的に進めるうえで欠かせない最新のGPS付科学魚群探知機も装備しています。

8月23日(火)にエンジンなどの航走試験を行い、24日(水)にはさっそく広島大学の研究グループによる大槌湾と船越湾の藻場の魚類相に関する共同利用研究が本船を用いて実施されました。その後も共同利用研究や復興研究の観測のためにほぼ毎日稼働しています。本船の進水を心待ちにしていた黒沢正隆技術専門職員(船長)や平野昌明技術職員(観測長)がまさに水を得た魚のごとく喜々として運航に携わっている姿がとても頼もしい限りです(写真7)。グランメーユを利用した研究者からは震災前に活躍した研究船「チャレンジャー二世」、「チャレンジャー三世」(いずれも重量1t)に比べて船体が一回り大きくなり、船上での観測作業がとてもしやすいと好評を得ています。

 沿岸センターで行われている調査研究は大槌町をはじめ地域の漁業関係者からも注目され、期待も大きいのです。本船を建造した有限会社須賀ケミカル産業の思いに応える意味でも、本船を用いた調査研究の成果が三陸沿岸域の水産業、ひいては大槌町の復旧・復興の一助になればと願っています。

クレーンでつり上げられるグランメーユ
写真1


写真2

日本酒を注ぐ新野所長と大竹センター長
写真3

初めての航走
写真4


写真5

建造中のグランメーユ
写真6

研究者の利用も始まる
写真7

お知らせ