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塚本勝巳教授が第22回太平洋学術会議畑井メダルを受賞

更新日:2011年12月28日

畑井メダルを授与される塚本勝巳教授(中央)。両側は、Prof. Dr. Congbin Fu太平洋学術協会会長(左)と山内晧平日本学術会議PSA分科会委員長・愛媛大学教授(右)。

 

2011年6月14~17日にマレーシアのクアラルンプールで開催された第22回太平洋学術会議において、行動生態計測分野の塚本勝巳教授が、畑井メダル(Shinkishi Hatai Medal)を受賞しました。

受賞題目「北太平洋における魚類の回遊に関する研究への貢献」
 

塚本勝巳教授の畑井メダル受賞について

2011年6月14~17日にマレーシアのクアラルンプールで開催された第22回太平洋学術会議(22nd Pacific Science Congress)において、塚本勝巳東京大学大気海洋研究所教授が畑井メダル(Shinkishi Hatai Medal)を受賞された。

畑井メダルは、故畑井新喜司博士を記念するため、太平洋学術協会(Pacific Science Association)が1966年に制定した学術賞である。畑井新喜司博士は、パラオ熱帯生物学研究所の創設とその後の運営に尽力し、海洋生物学研究の発展および当時の若き研究者の育成に極めて大きな功績があった方である。その影響は、わが国だけでなく、太平洋域の諸国における海洋生物学の確立と発展の基礎となった。また畑井博士は、設立間もない太平洋学術協会の幹事として、協会の安定な活動を実現するための加盟国間の協調関係を構築することに多大な貢献をされた。そうした功績を永く顕彰する目的で、太平洋学術協会は4年毎に開催する太平洋学術会議(Pacific Science Congress)において、太平洋の優れた海洋生物学研究を行った科学者に本メダルを授与することとした。本顕彰事業の基金は日本の海洋生物学者および協賛団体からの募金によっており、受賞者の選考も日本の海洋生物学界から選ばれた選考委員によっているが、過去の受賞者12名のうち日本人受賞者は2名に過ぎず、国際的な学術賞として太平洋諸国の研究者の高い関心を引いてきた。 

塚本教授への授賞理由は、北太平洋における魚類の回遊に関する研究への貢献である。とりわけ、1973年以来20回以上の研究航海を行ってニホンウナギ(Anguilla japonica)の産卵場をつきとめたこと、この間に数多くの研究プロジェクトの主宰、多数の外国人留学生を含む人材の育成、300篇以上の論文公刊、ウナギに関する知見の社会への敷衍等々に務められた。そのことがわが国はじめ北太平洋諸国における海洋生物学の進歩に及ぼした影響は極めて大であると評価され、受賞者に選考されたのである。塚本教授の心身はともに健常そうなので、いままでの勢いはさらに長く続き、今後も海洋生物学の発展と学会への貢献が期待される。

塚本教授らが築いてきたウナギの科学についてもっと深く知りたいと思う人には、以下の出版物をご覧になることを勧めたい。

1)ウナギあるいは魚類、海洋生物学に興味がある人向け 
・塚本勝巳 編『海と生命:「海の生命観」を求めて』(海洋生命系のダイナミクス)東海大学出版会、2009年。
・塚本勝巳 編著『魚類生態学の基礎』恒星社厚生閣、2010年。

2)海洋生物学あるいは生物科学一般を専門としていない人向け 
・東京大学海洋研究所 編『グランパシフィコ航海記』東海大学出版会、2004年。
・塚本勝巳・太田光・田中裕二 著『「脱出したい!」のココロ 海洋生命科学』(爆笑問題のニッポンの教養 24)講談社、2008年。
・黒木真理・塚本勝巳 著『旅するウナギ』東海大学出版会、2011年。

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