黒潮における物理・化学・生物過程:乱流と熱・栄養塩・仔稚魚輸送
更新日:2024年11月11日
(2024年10月4日 開催)
日 時:令和6年10月4日(金)13:20~18:00
場 所:東京大学大気海洋研究所2F 217会議室
〒277-8564 千葉県柏市柏の葉5-1-5 TEL 04-7136-6009
コンビーナー:安田一郎1・田中雄大2・坂本達也6・西川悠3・高須賀明典4・西岡純5・伊藤幸彦1・斎藤宏明1 (1: 東大大気海洋研、2: 水研機構資源研、3: JAMSTEC、4: 東大院農、5: 北大低温研、6: 京大)
大気海洋研対応者:安田一郎(東大大気海洋研)ichiro◎aori.u-tokyo.ac.jp
※アドレスの「◎」は「@」に変換してください
対面とオンラインのハイブリッドで行います
ご参加いただける方、下記のURL(GoogleForm)から申し込みお願いします
https://forms.gle/ysCbzP91nZxdzeoo6
研究集会の概要
黒潮は、大量の熱・栄養塩・卵稚仔を輸送し、温暖な気候と豊かな漁業生産など、日本に海の恵みをもたらすとともに、北太平洋の気候及び海洋生態系に大きな影響を与える、地球システムの重要な要素である。日本の豊かな漁業資源を支えている、冬から春にかけて黒潮で産卵輸送される魚類の加入や変動は、黒潮での環境変動が影響することが指摘されている。これら漁業資源を支える餌の元となる栄養塩は、黒潮前線や黒潮が複雑な海底地形を横切る際に生じるサブメソスケール不安定等に伴って強化される乱流によって供給され、黒潮の豊かな生態系を支えている可能性がある。また、冬季に活発化すると予想されているサブメソ乱流は亜熱帯モード水(低渦位水)形成に影響する可能性がある。大気との熱交換等を含め、冬季の黒潮における乱流・物質輸送等環境変動要因と生物過程を明らかにして、乱流等物理過程と物質循環・水産資源の間を繋ぐ研究のブレークスルーを図ること、および、2025年2月8日から3月6日に実施する白鳳丸航海に向けて研究内容・航海計画を練ることを目的とした、共同利用研究集会を行う。
プログラム
2024年10月4日(金)受付13:00-
13:20-13:30 安田一郎(東大大気海洋研)趣旨説明
座長:西川 悠(JAMSTEC)
13:30-13:50 上村泰洋・古市 生・由上龍嗣(水産研究・教育機構)近年のマイワシの資源動向と産卵時期・海域の変化
13:50-14:10 冨士泰期(水産研究・教育機構)近年のサンマ資源状況とこの冬に計画している産卵場調査について
14:10-14:25 伊藤進一・樋口富彦・余泽庶・高世科・林沅・須田大朔・REGALADO Alexanra・八木敬弘(東大大気海洋研)環境DNAを用いた魚類群集組成観測とニューストンネットを用いた仔魚分布比較
14:25-14:40 坂本達也(京大)伊豆諸島周辺産卵場からの輸送過程におけるイワシ類の生残に関する研究(仮題)
14:40-14:50 休憩
座長:西岡 純(北大低温研)
14:50-15:05 齊藤宏明(東大大気海洋藤宏研)黒潮域生態系におけるサイズ別生産と栄養戦略
15:05-15:25 堀井幸子・山口珠葉(水産研究・教育機構)・塩崎拓平(東大大気海洋研)窒素・リン動態と低次生産系の観測
15:25-15:40 山下洋平・宮瀬陸(北大地球環境)KH-25-1航海での大気観測とFDOM観測計画
15:40-15:55 千田唯乃(東大農学生命)黒潮域に生息する大型カイアシ類の窒素排泄速度に関する研究
15:55-16:10 小杉如央(気象研)大蛇行は黒潮と続流域のCO2吸収力をどう変えるか?
座長:伊藤幸彦(東大大気海洋研)
16:10-16:25 川合義美(JAMSTEC)・吉田聡(京大防災研)黒潮・黒潮続流域における大気観測
16:25-16:40 井上龍一郎(JAMSTEC)乱流計付きフロートによる時系列観測
16:40-16:55 田中雄大(水産研究・教育機構)水中グライダー観測
16:55-17:10 高橋杏(東大大気海洋研)トカラ海峡の小規模海山における流れ-地形相互作用と乱流
17:10-17:25 佐々木雄亮(東大大気海洋研)黒潮流域における内部風下波の発生と乱流鉛直混合
17:25-17:30 休憩
座長:安田一郎(東大大気海洋研)
17:30-18:00 総合討論
コメント:西川悠(JAMSTEC)・西岡純(北大低温研)・高須賀明典(東大農学生命)・伊藤幸彦(東大大気海洋研)
18:00- 研究懇談会(はま)