第10回水族館シンポジウム「水族館とは?日本の水族館を考える」
更新日:2023年10月19日
(2023年12月4-5日 開催)
コンビーナー
猿渡敏郎 (東京大学大気海洋研究所・成蹊学園サステナビリティ教育研究センター)
西 源二郎(元東海大学海洋科学博物館)
植田育男 (神奈川大学)
栗田正徳 (名古屋港水族館)
杉野 隆 (東京都葛西臨海水族園)
後援 (あいうえお順)
全日本博物館学会、日本自然史学会連合、日本水族館協会、日本動物園水族館協会、日本博物館協会
開催日時
令和5年 12月 4日(月) 10:00~18:15
令和5年 12月 5日(火) 09:00~16:30(時刻は予定)
会場
東京大学 大気海洋研究所 講堂 (ポスター掲示:エントランスホール)
千葉県柏市柏の葉 5-1-5
アクセス方法はこちらをご覧ください。
http://www.aori.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
参加方法
東京大学大気海洋研究所での対面形式またはZoomを使用したWeb形式での参加となります。ポスター発表は、対面形式のみとなります。
募集人数
対面形式:50名
Web形式:250名
☆対面形式での参加希望者多数の場合は、抽選でWeb形式での参加をお願いすることがございます。予めご了承ください。抽選結果は、11月中旬にメールにてご連絡いたします。
参加申し込み方法
こちらのサイトからお申し込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfoDz-tU89IwZpI11zndN7x1u8fcsaZODuFsrfBOgqlKBzh3Q/viewform
参加申し込み開始
令和5年10月16日(月)10:00
参加申し込み締め切り
対面方式での参加:令和5年11月15日(水)17:00まで
Web形式での参加:令和5年11月30日(木)17:00まで
Web形式での参加に関する情報
Zoomに関する情報は、参加申し込み締め切り後、12月初旬にメールにてご連絡いたします。
注意事項
・新型コロナウイルス感染症の感染再拡大も否定しきれない状況です。研究集会の開催方法については、11月下旬の感染状況から、Web開催のみへと変更する可能性もございます。予めご了承ください。
・会場およびWeb上での録画・録音・撮影を禁止します。ただし、個々の発表に関しては、演者の許可がある場合は認めます。
・活発な意見交換、情報交換を歓迎いたします。しかし、個人や団体を攻撃したり誹謗中傷するような発言やチャットへの書き込みはご遠慮ください。そのような行為を行った方には会場から退出(対面、Web ともに)していただく場合があります。
・Webで参加される方は、11月下旬ごろ、Zoomの最新バージョンをダウンロードしておいてください。
お問い合わせ先
猿渡敏郎(東京大学大気海洋研究所)、tsaruwatアットaori.u-tokyo.ac.jp (アットを@に変換)
ご応募された方の 個人情報は東京大学の規定に従い適切に管理いたします。当シンポジウム以外の目的には使用いたしません。また、第三者に開示・提供することはありません。
シンポジウム開催趣旨
四方を海に囲まれた日本国内には、70以上の水族館が存在し、海なし県であっても世界各地の水生生物の生きた姿を身近に見ることができる。国内水族館の年間総来館者数は三千万人を超え、実に日本人の四人に一人が毎年水族館へ行っている計算になる。水族館の有する海洋と水生生物に関する情報発信能力、普及啓発効果は計り知れない。日本の水族館の飼育展示に関連した技術は世界最高であり、希少種の域外保全、増養殖業への技術転嫁をはじめ、学術面でも、水生生物の生きた姿を手軽に観察できる強みを生かした研究で貢献している。博士号を取得した飼育技術者も大勢存在する。展示生物の採集活動に併せて地域の水辺に生息する生物に関する情報も収集している。このように、水族館は単に水生生物を展示するレクリエーション施設にとどまらず、地域に根差した水生生物研究の拠点としての役割を果たしている。
水族館関係者と、大学、博物館、関連分野の研究機関の研究者が集い、忌憚のない意見交換を行う場を提供すべく、2005年から隔年開催でこれまでに9回、毎回テーマを変えて水族館シンポジウムを開催してきた。一連の講演を基に、二冊の単行本、『水族館の仕事』と『研究する水族館』を世に出すことが出来た。水族館関係者の間では、広く認識された、評価の高いシンポジウムに育っている。
日本の水族館をめぐる環境は、過去20年ほどの間に、指定管理者制度の導入、いわゆるイルカ問題、展示生物の輸入規制、ABS、動物福祉問題など、大きく様変わりしてきている。加えて、2020年からの新型コロナウイルスの蔓延によって休館する水族館が相次ぎ、中には閉館に追い込まれる施設も現れた。このような状況の中で「水族館は何ができるのか?」「水族館の社会的責務とはなにか?」について、それぞれの水族館で真摯な検討がなされている。
そこで本シンポジウムでは、全国の水族館関係者はじめ水族館に関心を持つ幅広い分野の研究者の参加を得て、最新の研究成果のほかに、現在直面している問題についての取組状況などを報告してもらう。そして、水族館の抱える課題を整理し、今後の水族館の進むべき道について議論し、日本の水族館の将来像を描くことを目的とする。
プログラム
口頭発表
12月4日(月曜日)
Ⅰ.オープニングセッション
10:00~10:30 1.水族館シンポジウムの歩み。いままでとこれから
猿渡敏郎(東京大学大気海洋研究所・成蹊学園サステナビリティ教育研究センター)
10:30~11:35 2.水族館はどう発展してきたか その機能の変遷と課題
西 源二郎(元 東海大学海洋科学博物館)
11:35~12:55 ポスターセッション(奇数番コアタイム)・昼休み
Ⅱ.水族館の機能の現状と課題
12:55~13:20 1.「魚病」治療から予防へ
大型板鰓類の個体管理、自作ワクチンを用いた予防、行動評価から判定する適正飼育環境
柳澤牧央(大分マリーンパレス水族館 うみたまご)
13:20~13:45 2.魚類繁殖の実情
~保全?保存?展示?何のための繁殖か?~
池谷幸樹(世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ)
13:45~14:10 3.調査を起点とした海きららの取り組み
川久保晶博(させぼパール・シー株式会社 海きらら)
14:10~14:35 4.水族館での環境教育の進め方 〜課題と展望〜
大和 淳(新潟市水族館マリンピア日本海)
14:35~14:45 休憩
Ⅲ.水族館と社会(1)
14:45~15:10 1.博物館法における水族館の在り方
高田浩二(海と博物館研究所)
15:10~15:35 2.「水族館大学」が考える水族館に期待すること
○亀崎直樹(岡山理科大学)・幸島司朗(京都大学)
15:35~16:00 3.小規模水族館の新機軸
~地区の活動に特化した草の根水族館の活躍とは~
植田育男(神奈川大学)
16:00~16:25 4.動物園から見た水族館
佐渡友陽一(帝京科学大学)
16:25~16:35 休憩
16:35~17:00 5.学校教育における水族館を活用した教育連携のこれまでとこれから
○大鹿聖公(愛知教育大学)・大谷恵里(名古屋市立伝馬小学校)・古市博之(犬山市立楽田小学校)
17:00~17:25 6.マスメディアから見た水族館
森下絵理香(NHK動物番組担当者)
17:25~17:50 7.さかなクンから見た水族館
さかなクン(東京海洋大学) (リモート講演)
17:50~18:15 8.経営学から考える水族館の特徴と論点
原澤恵太(帝京科学大学)
18:30~20:30 懇親会(大気海洋研究所エントランスホール)
12月5日(火曜日)
Ⅲ.水族館と社会(2)
09:00~09:25 9.経営者から見た水族館事業開発
~近年開館の水族館(四国水族館、átoa、スマートアクアリウム静岡)の狙い~
小林弘嗣(株式会社アクアメント事業本部)
09:25~09:50 10.英米水族館の寄附金獲得戦略
瀧端真理子(追手門学院大学)
トピックス:研究最前線
09:50~10:10 1.アカウミガメの繁殖・育成個体を用いた回遊経路調査 ~
国際的な研究グループの中で日本の水族館が果たした役割
〇栗田正徳(名古屋港水族館)・George H. Balazs(Golden Honu Services of Oceania)・Jeffrey J. Polovina(ハワイ大学)・ Dana K. Briscoe(スタンフォード大学)・ 斉藤知己(高知大学)・ Jeffrey A. Seminoff(NOAA)・ Larry B. Crowder(スタンフォード大学)
10:10~10:30 2.ジンベエザメの国際野外調査
〇松本瑠偉・村雲清美(沖縄美ら海水族館)
10:30~10:50 3.北海道知床羅臼町で確認された17種の未記載種や日本初記録種の展示と活用
〇松崎浩二(ふくしま海洋科学館)
10:50~11:10 4.水産研究機関との連携によるアカムツ研究への取り組み
○新田 誠(新潟市水族館)・八木佑太(水産機構資源研)・飯田直樹・福西 悠(富山水研)
11:10~12:30 ポスターセッション(偶数番コアタイム)・昼休み
Ⅳ.水族館の問題点
12:30~12:55 1.魚類、無脊椎動物飼育展示における動物福祉
岩橋佑佳(元シーライフ名古屋)
12:55~13:20 2.水族館におけるイルカ類の管理(飼育展示と個体群動態)
勝俣 浩(鴨川シーワールド)
13:20~13:45 3.日本鯨類研究協議会から一般社団法人日本水族館協会設立へ
~既存の協会との違いと協調に関する試論~
栗田正德(名古屋港水族館)
13:45~13:55 休憩
Ⅴ.世界の水族館と日本の水族館
13:55~14:20 1.WAZA(世界動物園水族館協会)における水族館
岩田雅光(ふくしま海洋科学館)
14:20~14:45 2.IAC世界水族館会議の現状と将来への展望
大山卓司 (新江ノ島水族館)
14:45~15:10 3.アジア(中国)の水族館の現状:日本の水族館との違い
デイビット ライ(元チャイムロング・オーシャン・キングダム, 中国)
15:10~15:35 4.私的体験の範囲で考える日本とアメリカの水族館の違い
—社会的役割の観点から
本田公夫 (The Maritime Aquarium at Norwalk, USA)(リモート講演)
15:35~16:00 5.ヨーロッパの水族館―その過去と未来
溝井裕一(関西大学)
Ⅵ.総合討論:
16:00~16:30 これからの水族館、どこへ向かっていくのか?
ポスター発表
発表コアタイム
奇数番号: 2023年12月4日 11:35~12:55
偶数番号: 2023年12月5日 11:10~12:30
P1. 京都大学白浜水族館の役割
中野智之・山守瑠奈・河村真理子(京大瀬戸臨海)・山内洋紀・原田桂太・山本恒紀・加藤哲哉(京大白浜水族館)・朝倉 彰・○下村通誉(京大瀬戸臨海)
P2. 明治・大正時代の水族館教育に関する考察
根來 央(金魚坊主)
P3.学生が考える!「学生水族館」の役割
新藤 想(北里大学アクアリウムラボ)
P4. 水族館における「観察の視点」の体系化
青木和輝(東京シーライフボランティアーズ)
P5. 島の水族館
○内田博陽・濱津芳弥(周防大島町なぎさ水族館)
P6. 朝日小学生新聞連載 「ここまでわかった深海生物のなぞ」の紹介
猿渡敏郎(東大大海研・成蹊ESDセ)
P7. 「アマモ場」展示水槽改修に伴うアマモの再導入とその後の飼育経過について
〇三森亮介・宮﨑寧子・古橋保志・遠藤周太(東京都葛西臨海水族園)
P8. 人工海水水族館の新規水槽立ち上げ期における微生物メタゲノム解析
○森 香穂(東大大海研)・西村陽介(JAMSTEC生命理工学センター)・塚本雄也(理研バイオリソースセンター)・菅井洋太(東大大海研)・伊知地 稔(都立大)・岩橋佑佳(シーライフ名古屋)・吉澤 晋(東大大海研)
P9. 人工海水を用いたヤングミドリイシ有性生殖の試み
○萬 倫一・野口彩伽・坂田弥耶(マクセル アクアパーク品川)・砂川政彦・小林鉄郎(八重山漁協サンゴ種苗生産部会)・木村祐子(AIネット株式会社)
P10. 水族館に搬入されたヤギ類(八放サンゴ綱)
園山貴之(新江ノ島水族館)
P11. かごしま水族館の屋外展示エリア「イルカ水路」の魚類相
~身近な海の生物相を把握し、地域に還元する~
○中村潤平・柏木伸幸・西田和記・堀江 諒(かごしま水族館)
P12. コクテンサンゴトラザメ(Atelomycterus fasciatus)の血液中における細菌の検出と解析
○伊東隆臣・喜屋武樹(海遊館)・松野克輝(大阪府立大学)・古家 優・笹井和美(大阪公立大学)
P13. シロヒレタビラの人工繁殖における簡易飼育法の比較検討
○今北大介・川瀬成吾(滋賀県立琵琶湖博物館)
P14. 人工飼育下におけるビワマス初期段階の餌料比較
○寺嶋伊武樹・米田一紀(滋賀県立琵琶湖博物館)
P15. 東北沖を中心に確認されたサケビクニン複合種群における交雑
○亀井遥香・小島茂明・伊藤 萌(東大大海研)・成松庸二(水産機構)・森 俊彰(ふくしま海洋科学館) P16. イソギンポ科カチュディート(Hypsoblennius sordidus)の水槽内繁殖と育成について
〇関 啓汰・小味亮介・太田智優・中村浩司(東京都葛西臨海水族園)
P17. 熱回廊仮説:北太平洋のアカウミガメに対する海洋温暖化の影響を理解するための海洋学的実験アプローチ
〇栗田正徳(名古屋港水族館)・Dana K. Briscoe(スタンフォード大学)・Bianca S. Santos(スタンフォード大学)・George H. Balazs(Golden Honu Services of ceania)・Jeffrey J. Polovina(ハワイ大学)・Jeffrey A. Seminoff(NOAA)・Alberto Abreu- Grobois(メキシコ国立自治大学)・森 昌範(名古屋港水族館)・Denise M. Parker (Golden Honu Services of Oceania)・Marc R. Rice(Hawaii Preparatory Academy)・斉藤知己(高知大学)・Calandra N. Turner Tomaszewicz(NOAA)・山口永晏(高知大学)・Larry B. Crowder(スタンフォード大学)
P18.科学的探究力のAIを用いた評価方法について
〇奥林璃香・佐々木 剛(東京海洋大学)
P19. プログラム評価指標としての関係価値の活用可能性について
〇澤田昂汰・佐々木 剛(東京海洋大学)
P20. 危険回避時における船員の思考プロセスに関する研究
〇鍵谷祥麦・佐々木 剛・林 敏史(東京海洋大学)