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第8回海中海底工学フォーラム・ZEROプログラム

更新日:2022年10月14日

(2022年10月14日 開催)

東京大学海洋研究所 共同利用研究集会

日時 2022年10月14日(金)
第8回海中海底工学フォーラム・ZERO Hybrid
 研究会:13時00分~17時00分

場所 東京大学大気海洋研究所講堂
〒277-8564 柏市柏の葉5-1-5 電話:04-7136-6009(国際・研究推進チーム)

地図 柏キャンパスアクセスマップ
http://www.aori.u-tokyo.ac.jp/access/index.html

参加費 研究会:無料
主催 海中海底工学フォーラム・ZERO運営委員会
支援 東京大学生産技術研究所(生研研究集会)
協賛 日本船舶海洋工学会、海洋調査技術学会、海洋音響学会、(公社)土木学会**
(公社)日本水産学会、IEEE/OES日本支部、MTS日本支部、東京大学海洋アライアンス
東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター
**「土木学会認定CPDプログラム」 CPDプログラムについては、土木学会以外の団体に提出する場合には提出先団体に事前にご確認ください。

URL: https://seasat.iis.u-tokyo.ac.jp/UTforum/このリンクは別ウィンドウで開きます


研究会:13時00分-17時00分:
本フォーラムはIn person(人数制限あり)およびオンライン(再現性なし)のハイブリット方式で実施予定です。参加方法については後日参加登録者に周知いたします。プログラムは主催者の都合により変更する事がありますので、御諒承ください。

1)挨拶 13時00分-13時05分
東京大学大気海洋研究所 道田 豊

2)オーシャンDNAプロジェクト:海中に存在するDNAから生態系変動を読み解く 13時05分-13時40分

東京大学大気海洋研究所 兵藤 晋

[講演概要]海洋環境の変動が海洋生態系に与える影響が懸念されてきている。生態系を把握するための手法として、海水中に存在する生物由来のDNA(環境DNA)を調べることで、どこにどのような生物が存在するのかを明らかにする手法が近年用いられるようになってきた。環境DNAの場合、生物そのものを捕獲する必要がないため希少生物にも適用できる。また、海水を濾過することで環境DNAを採取できるため、それぞれの生物に対応した捕獲手段をとる必要がなく、多数の測点で時空間変動を調べることも可能である。大気海洋研究所でも、「沿岸から外洋まで、バクテリアから魚、大型海洋生物までの分布、季節や環境変化による変動」を明らかにすることを目的に「オーシャンDNAプロジェクト」を開始した。本講演ではこのプロジェクトについて、これまでの成果をあわせて紹介する。

3)特別セッション 空から見る海中・海底 13時40分-15時10分

イントロ 13時40分-13時45分
東京大学大気海洋研究所 道田 豊

[趣旨]近年、いわゆるドローンなど小型飛行体の実用化が急速に進んでいる。映画やテレビ番組の制作現場では、技術的な成熟度が大幅に向上したドローンは空撮用機材としてすでに必要不可欠となっている。海中海底工学の分野でも、技術面でも普及の面でも先行する空中ドローンの活用のみならず、水中ドローンの活用がホットな話題の一つとなっている。こうした状況を踏まえ、本セッションでは、海中海底工学への応用可能性という視点から、次世代の飛行体の技術動向を共有し、空から、あるいは空-海連動した海中海底の各種情報収集の今後の姿について考える契機とするため、いくつかの話題を取り上げる。このセッションが新たな発想による海中海底探査技術の開発などにつながることを期待する。

その1 次世代空モビリティの最新動向 13時45分-14時10分
NEC  橋爪 大輔

[講演概要]近年、欧米などを中心に電動かつ垂直離着陸可能な有人航空機(eVTOL機)「空飛ぶクルマ」の研究開発が盛んに進められている。日本でも経産省を中心に国交省航空局と連携しながら2018年に「空の移動革命に向けた官民協議会」が設立され、今後取り組むべき技術課題や制度整備等について4つのWGから構成される「実務者会合」での協議を通じロードマップの制定、さらには2021年度にその改定が実施されている。NECでは、2018年の設立当初から当該「官民協議会」構成員として参画しながら、2019年には独自に開発した「無人実証機」による公開飛行試験を実施することで、「空飛ぶクルマ」の課題抽出を前提に、その運航管理技術について検討を進めている。本講演では、「空飛ぶクルマ」の概要や「官民協議会」で制定されたロードマップを紹介すると共に、2021年度にNEDOで実施された「空飛ぶクルマの先導調査」でNECが主に担当した要素技術調査部分、更には小型無人機(ドローン)に関する最新動向などをまとめて紹介する。

その2 空へ、海へ、無人航空機の可能性 14時10分-14時30分
新明和工業(株) 小松 聡

[講演概要]新明和工業は航空機を作り始めておよそ1世紀になります。現在においても、日本で数少ない有人完成機メーカーになります。我々は、この長きに渡る航空機メーカーとしての知見・経験を活用し、これまでにない性能をもつ無人航空機の開発に取り組んでいます。我々がまず世に送り出したのがおよそ4時間の長時間滞空能力をもつ固定翼無人航空機XU-Sです。このXU-Sを用いていくつかの実証試験を行ってきたので、その取り組みを紹介させて頂きます。また、この実証を通じて得た知見・経験から新たに取り組もうとしているXU-L、そして新明和工業の有するユニークな技術を活かしたXU-Mについても簡単ではありますが紹介させて頂きます。

その3   空から海面を、海面から海中を -飛行艇型UAVによる海洋観測- 14時30分-14時50分

スペースエンタテーメントラボラトリー 橋本 武憲

[講演概要]水上離発着・海面自動航行が可能な飛行艇型UAV「HAMADORI」と、本機体を用いた海中・海底観測の展望についてご紹介いたします。すでに実用化済みの小型機「HAMADORI3000」の技術をもとに開発中の新型機「HAMADORI6000」は、機体サイズを翼スパン6m程度と大型化した上で、衛星通信機を搭載、動力をハイブリット化することで、EEZを往復する航続距離と10kg以上のペイロードを実現予定。観測目標地点まで高速飛行し、着水後海面を自動航行しながら各種観測を実行、終了後再び飛行帰投する、低コストと即応性を兼ね備えた新しい海洋観測手法をご提案します。

その4 空から海の「底」を見る~航空レーザーによる水路測量~  14時50分-15時10分
海上保安庁海洋情報部 苅籠 泰彦

[講演概要]海上保安庁では、平成16年から航空機を用いて空から海底地形を測る取り組みを開始しています。これにより、従来は困難であった浅海域の海底地形の取得が大きく進展しました。また東日本大震災後には、被災地の海底地形測量にも活躍しています。令和3年には3代目の航空レーザー測深機を導入するとともに、初めて測量を主任務とする航空機「あおばずく」が就役しています。本発表では、海上保安庁が実施している航空機を用いた水路測量の政策的な背景や目標を紹介するとともに、航空機を用いた水深測量の原理や特徴を、測量船等の従来の方法による水路測量の比較を交えつつ言及し、また、これよりどのような成果が得られているかを紹介します。

休憩

4)深海におけるゾウアザラシの捕食行動:採餌センサーとしてのヒゲの活用 15時40分-16時05分

国立極地研究所 高橋 晃周・安達 大輝

[講演概要]海洋の中深層(深度200-1000m)には、膨大な量の小型魚類やイカ類が生息し、海洋大型動物の重要な餌資源となっていると考えられているが、その実態はよくわかっていない。我々は、米国の研究チームと共同で、北東太平洋を広く回遊するキタゾウアザラシにバイオロギング機器を装着し、深海での捕食行動の実態を調査してきた。その結果、1)アザラシが一日中ほぼ休むことなく潜水を繰り返し深海の小型魚類を食べ続けていること、2)視覚が制限される深海で、魚がつくる水流を感知するヒゲを使って餌を捕食していること、などを明らかにしてきた。アザラシに装着したビデオカメラの映像などを交えながら、これらの研究成果を紹介する。

5)深海底の堆積物中の生物相を掘らずに視る~少し変わった音響計測システムのはなし~ 16時05分-16時30分

東京大学大学院新領域創成科学研究科 水野 勝紀

[講演概要]深海の堆積物中に生息する底生生物の分布を非接触・非破壊で効率的に調査できるツールを開発し、海洋研究開発機構が所有する有人潜水調査船「しんかい6500」を用いて、静岡県初島沖の相模湾深海においてその実証試験に成功しました。海底面下に生息する埋在性生物の調査は、従来、サンプリングによる手法が用いられてきましたが、採取効率の悪さや、その場での観察ができないこと、空間的な分布の把握が困難であることなどの課題があり、特に深海における情報が限られていました。高周波の超音波を利用する新しい調査ツールを用いることにより、埋在性生物の分布を3次元的に非接触・非破壊で効率的に調査でき、これまで把握が困難であった埋在性生物の分布・生態が明らかになり、関連研究が飛躍的に進むと期待されます。

6)光無線装置による海底観測データの「収穫」 16時30分-16時50分
海洋研究開発機構 澤 隆雄・中谷 武志

[講演概要]水中での高速無線通信法の一つとして、可視光を用いた光無線通信が注目されている。通信距離は100m程度と短いものの、通信速度10Mbps以上を出す製品も販売されるようになり、普及段階に入ったようだ。海洋研究開発機構ではこの光無線通信を、海底ステーションからの観測データを高頻度に、かつ観測の連続性を維持したまま回収する方法に活用する事を試みている。このデータ回収手法は収穫(harvesting)とも呼ばれ、果実が実るように観測ステーションで蓄積される観測データを、AUVが近傍を通過する際、次々と刈り取るように回収していく。海底設置装置による長期観測を、大きく変える可能性を秘めた手法だと自負している。

7)閉会の辞/アンケート等 16時50分-17時00分
 

申し込み先:本フォーラムは完全事前登録制です。必ず事前申し込みを御願いします。
東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター・杉松治美
Tel:03-5452-6487, Fax:03-5452-6488 , E-mail:harumis@iis.u-tokyo.ac.jp
申し込み期限:10月7日(金)までにメイルにてお申し込みください。

URL: http://seasat.iis.u-tokyo.ac.jp/UTforum/このリンクは別ウィンドウで開きます

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