陸と海と人と-里海
更新日:2017年02月02日
(2017年2月21-22日 開催)
日 時:2017年2月21日13時30分-17時40分
2017年2月22日10時30分-16時50分
場 所:東京大学大気海洋研究所2F 講堂
〒277-8564 千葉県柏市柏の葉5-1-5 TEL 04-7136-6009
コンビーナー:小松輝久、植松光夫(東大大海研)、柳 哲雄(EMECS)
大気海洋研究所対応者:小松輝久 komatsu◎aori.u-tokyo.ac.jp ※「◎」を「@」に変更
趣旨
IGBP終了後の国際プログラムFuture Earthは、出口を意識したIssue-drivenの研究をTransdiciplinaryな視点から、自然科学、社会科学、人文科学の研究者が協働し、関係者を交えて研究をco-design、co-production、co-deliveryすることで、問題解決(solution-oriented)を目指している。陸と海のエコトーンとして生物多様性や生産性の上で、極めて重要である沿岸域は、陸での人間活動により直接的、間接的に大きな影響を及ぼされている。また、沿岸漁業者は陸から比較的近い海域の海洋生物資源を利用して生活しており、その活動を通じて沿岸域の生態系に影響を及ぼしている。持続的で健全な海洋環境を実現するには、陸と海における人間活動を変える必要があるという視点から現在取り組まれている活動に里海がある。適度に人が沿岸環境に働きかけ、利用することで、生物多様性と生物生産を高め、持続的で健全な海洋環境を実現するということが里海の理念である。現在、研究者、漁業や行政関係者、地元住民が参加して里海活動が実践されている。そこで、里海というアプローチから沿岸環境問題に取り組んでいる研究者およびNPOの関係者が集まり、どのような視点からどのような問題を解決しようとしているのか、どのように取り組んでいるのかについて紹介し、意見を交換することを目的として本集会を企画した。シンポジウムでの議論を通じて、里海活動の理論的基盤と人的ネットワーク構築が強化され、アジア域を含めた国際的に展開するFuture Earth研究に貢献できるものと期待される。得られる成果は、日本学術会議で推進している"Sustainability Initiative for Marginal Seas in East Asia (SIMSEA)"の一環の活動として位置づけられる。
プログラム
2月21日
13時30分
1. 開会あいさつ
植松光夫(東大大海研)
2. Future earth の研究体制をめぐる現状と将来(各30分)
座長
柳 哲雄(EMECS)
Future Earthにおける海洋プロジェクト間のネットワーク構築
植松光夫(東大大海研)
Future EarthとSIMSEA:アジア太平洋地域の人間安全保障への貢献
山形俊男(JAMSTEC)
日本におけるSIMSEAの取組み
森岡優志(JAMSTEC)
15時10分-15時20分 休憩
15時20分
3. 里海と沿岸域管理の研究(各30分)
座長
植松光夫(東大大海研)
日本における里海と沿岸海域管理
柳 哲雄(EMECS)
開放性内湾志津川湾における里海活動
小松輝久(東大大海研)
日本海における三階層管理
吉田尚郁(NPEC)
瀬戸内海における里海と沿岸域管理
西嶋 渉(広大環境安全セ)
17時40分-19時40分 意見交換会
2月22日
10時30分
4. 里海活動の実践(各30分)
座長
仲上健一(立命館政策)
インドネシアにおける多栄養段階養殖
柳 哲雄(EMECS)
世界農業遺産 能登の里海 七尾
筑城まゆみ(七尾市役所)
アマモとカキの里海~岡山県日生(ひなせ)~
田中丈裕(NPO里海研)
12時-13時 昼食
13時00分
5. 社会、経済、文化的アプローチからの里海研究(各30分)
座長
田中丈裕(NPO里海研)
日生のアマモ場再生活動の社会学的分析
釣田いずみ(東大院総合文化)
沿岸海域の生態系サービスとサステイナビリティ評価
仲上健一・吉岡泰亮(立命館大政策)
貝毒・赤潮問題に関する社会科学的アプローチ
脇田和美(東海大海洋)
対馬における海洋保護区設定の検討
清野聡子・會津光博(九大院工)
15時30分-15時40分 休憩
15時40分
6. Future Earthの世界的動向(30分)
座長
山形俊男(JAMSTEC)
Future Earth の発展のために
春日文子(東大IR3S)
7. 総合討論 (30分)
座長
小松輝久(東大大海研)
8. 閉会のあいさつ
柳 哲雄(EMECS)