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日本第四紀学会との共催シンポジウム

更新日:2014年09月05日

(2014年9月6-8日 開催)

東京大学大気海洋研究所及び東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系は、日本第四紀学会と共同で下記の5つのシンポジウムを開催します。

人類の歴史が展開した過去約260万年間を、地球史では第四紀と呼びます。その自然、環境、人類の活動を学際的・総合的に理解し、近未来の地球環境を予測することが第四紀を研究する大きな理由です。この研究は世界的なネットワーク(国際第四紀学連合;INQUA)を持ち、4年毎に国際会議が開催されます。19回目を迎える次の会議は、2015年7月~8月に名古屋で開催されます。それに向けて日本第四紀学会2014 年大会では、国際第四紀学連合の5 つのコミッション(海洋および沿岸プロセス委員会、古気候研究委員会、人類および生物圏研究委員会、第四紀層序・地質年代委員会、陸域のプロセス・堆積物・地史研究委員会)と日本第四紀学会研究グループのリーダーが中心となって、幅広い分野のシンポジウムセッションを開催します。大気海洋研究所及び環境学研究系は、これらのシンポジウムを共催します。会員・非会員を問わず参加は自由となっています。事前申し込みも不要です。ご関心のある方の参加をお待ちしています。

主要な講演に関しては別紙の通りとなります。シンポジウム講演に関する取材等の問い合わせは末尾の問い合わせ先にお願いいたします。

期間:2014年9月6日(土)~9月8日(月)
場所:東京大学大気海洋研究所 講堂、大気海洋研究所 講義室、新領域創成科学研究科環境棟 FS ホール(千葉県柏市柏の葉5-1-5)
主催:日本第四紀学会
共催:東京大学大気海洋研究所、東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系
参加費:2,000円

シンポジウムの内容

◆シンポジウムⅠ 下部-中部更新統境界 GSSP

下部-中部更新統境界(約78万年前の地層境界)のGSSP(国際標準模式層断面および地点の略称)については現在、検討が行われつつあり、候補地として日本の千葉セクションおよび南イタリア2箇所の計3箇所で検討されつつある。2015年のINQUA名古屋大会へ向け、千葉セクションの古地磁気層序及び堆積過程等の再検討が求められており、関連する問題について議論する。

◆シンポジウムⅡ 更新世・完新世の資源環境と人類

後期更新世から完新世にかけて、人類が周辺の資源をどのように多面的に利用して自然環境の激変に適応してきたのか。それを旧石器時代と縄文時代の調査事例から具体的に復元することを試みる。自然と人類の相互関係のダイナミクスは一般論ではなく、あくまでも具体的な事例の中に、その場その場に対応した特性と共通する傾向を読み取ることが必要である。身の回りの自然環境から何が当時の人類にとって資源となり得たかは歴史的に変化してきた。この点は今後のわれわれに示唆を与えるものである。

◆シンポジウムⅢ プレート沈み込み境界における古地震・津波研究

日本列島ではプレート沈み込みに伴う地震(内陸、海底)と津波による災害のリスクが高い。過去の地震や津波の痕跡を調べ、地震や津波の起こり方や規模を解明して、次の災害に備えることが重要である。過去を知るためには様々な研究対象や方法がある。それには地質学や考古学など、異なる分野の研究者がこれまで以上に連携する必要がある。一方で、科学的な研究だけでは地震や津波への備えは不十分である。その成果を地域の防災、街づくりなどへの取り組みに生かす方法が重要である。報道メディアは最新の研究成果をどの様に社会へ伝達しようとしているか、自治体の防災担当部局はどのような情報を必要とし、それを地域防災にどのように生かそうとしているかなど、相互理解が不可欠である。研究のフロントから社会との接点まで、その現状を伝える発表で構成する。

◆シンポジウムⅣ 東アジア~北西太平洋域における第四紀の気候と環境変動

氷期—間氷期サイクルをはじめグローバルな第四紀の変動とともに、日本周辺の東アジアから北大西洋域でさまざまな時間スケールの気候と環境変動が明らかにされつつある。本セッションでは、1)東アジア~日本の湖沼堆積物からの気候変動、2)日本海~北西太平洋の海洋の古環境変動、3)グローバルな古気候指標との比較と統合に向けての発表と議論を行い、日本の研究者が東アジアから北西太平洋域でこれまで蓄積してきた気候や環境変動の資料を総合的に提示し、そのまとめの方向を出して、グローバルに発信する準備の場としたい。

◆シンポジウムⅤ 第四紀の海水準変動と地球表層プロセス

第四紀の特徴は氷床の消長に伴う大規模な環境変化であり、侵食や堆積プロセスといった地球の物質循環の駆動に大きな役割を果たしている。本セッションでは、海洋や陸水の地形や物質データに残る地球化学的指標等を用いた過去の環境記録と、広域に分布する火山灰層や第四紀後期年代測定法を用いた年代決定手法に基づいた研究について幅広い視点から成果発表を行い、総合的な理解を深める場としたい。 

シンポジウムに関する問い合わせ先:

日本第四紀学会2014年大会実行委員会 E-mail : jaqua2014gmail.com
参照:日本第四紀学会ホームページ http://quaternary.jp/

シンポジウム講演に関する取材等の問い合わせ:

日本第四紀学会2014年大会実行委員会 プログラム委員長
東京大学大気海洋研究所 横山祐典
E-mail : yokoyamaaori.u-tokyo.ac.jp     メールアドレスの「◎」は「@」に変換して下さい。

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