生物多様性と水族館 研究・展示・啓発活動
更新日:2011年12月07日
(12月12日~13日 開催)
日本動物園水族館協会後援
日 時:平成23年 12月12日(月)13:00~17:45
12月13日(火)10:00~18:10
場 所:東京大学 大気海洋研究所 講堂
〒277-8564 千葉県柏市柏の葉5-1-5 TEL 04-7136-6011
コンビーナー:猿渡敏郎 (東京大学 大気海洋研究所)
西 源二郎 (葛西臨海水族園)
植田育男 (新江ノ島水族館)
大気海洋研究所対応者:猿渡敏郎
〒277-8564 千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学 大気海洋研究所 海洋生物資源部門 資源生態分野
TEL 04-7136-6263 tsaruwat[at]aori.u-tokyo.ac.jp [at]は@に変換して下さい。
開催趣旨
水族館は、水生生物に特化した社会教育・研究機関である。日本国内には、主要な園館でも68の水族館が存在し、そこでは1年間に5000種を越える水生生物が飼育展示されている。水生生物の生きた、生の姿を観察することによってその多様性を最も身近に感じることのできる場所である。毎年水族館には約三千万人が訪れており、水族館の有する教育ポテンシャルは計り知れない。飼育技術者の研究と努力のたまものである飼育技術は世界水準を軽く凌駕している。このような日本の水族館の有する水生生物の研究、教育、啓発を行う機関としてのポテンシャルに着目し、本制度を利用して2005年に研究、2007年に環境、2009年には教育をテーマとした水族館シンポジウムを開催した。いずれのシンポジウムも、全国の大学、水族館、博物館から大勢の参加者が集い、盛会のうちに終了した。その成果は二冊の単行本として出版され、現在三冊目の出版に向けた作業に入っている。
以上の成果を踏まえ、このたび企画するシンポジウムでは、改めて水族館の有する社会教育・研究機関としての機能と社会的役割について、水族館、大学、博物館などの教育研究機関の研究者が集い、議論することを目的とする。2010年に名古屋で開催されたCop10を受け、生物多様性をメインテーマとする。大型水族館の建造ブームが去った現在、本シンポジウムは、日本の水族館の今後、将来のあるべき姿と方向性を提示することになると期待される。
プログラム
演題と発表者名のみ記載
12月12日(月)
13:00~13:10 開会の挨拶&開催趣旨説明 猿渡敏郎(東京大学大気海洋研究所)
第一部 招待講演
座長:西 源二郎(葛西臨海水族園)
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13:10~14:00 小さな大宇宙ー動物プランクトンの多様性
西田周平(東京大学大気海洋研究所) -
14:00~14:50 ハタ類5種(クエEpinephelus bruneus,マハタEpinephelus septemfaciatus,ヤイトハタEpinephelus malabaricus,キジハタEpinephelus akaara,スジアラPlectropomus leopardus)の初期減耗要因の機序とその対策
與世田兼三(瀬戸内海区水産研究所)
休憩(10分)
第二部 水族館における多様性研究
座長:植田育男(新江ノ島水族館)
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15:00~15:25 大阪・海遊館の活動と生物多様性との関連
小畑 洋(大阪・海遊館) -
15:25~15:50 大分県の海産魚類相
星野和夫(大分マリーンパレス水族館) -
15:50~16:15 琵琶湖地域における、水生生物の保全について
松田征也(滋賀県立琵琶湖博物館)
休憩(15分)
座長:池谷幸樹(岐阜県世界淡水魚園水族館)
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16:30~16:55 地元定置網に入網するマンボウ類とサメ類
望月利彦(アクアワールド茨城県大洗水族館) -
16:55~17:20 九十九島水族館で実施されているフィールド調査について
秋山 仁(九十九島水族館) -
17:20~17:45 フグ類の繁殖現場から垣間見えてきたこと
土井啓行(下関市立しものせき水族館)
18:00~ 懇親会 大気海洋研 吹き抜け
12月13日(火)
第三部 水族館の研究活動
座長:猿渡敏郎(東京大学大気海洋研究所)
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10:00~10:25 飼育生物を活用した調査・研究とその成果利用
戸田 実(海洋博覧会記念公園管理財団総合研究センター) -
10:25~10:50 関東産イシガイ類の幼生期の生態の解明
伊藤寿茂(新江ノ島水族館) -
10:50~11:15 遠州灘産深海性十脚目甲殻類幼生の比較発生学的研究
帝釈 元(鳥羽水族館)
休憩(15分)
戸田 実(海洋博覧会記念公園管理財団総合研究センター)
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11:30~11:55 西日本におけるミシシッピアカミミガメの定着
亀崎直樹 (神戸市立須磨海浜水族園) -
11:55~12:20 タイマイ野生復帰の試み
斉藤知己(名古屋港水族館)
昼休み
座長:星野和夫(大分マリーンパレス水族館)
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13:30~13:55 四万十川の多様性が育むアカメの生態
津村英志(虹の森公園おさかな館) -
13:55~14:20 トビウオ類の通年展示
伏見 純(島根県立しまね海洋館) -
14:20~14:45 水族館の多様性と可能性 ―メコンオオナマズの飼育研究を例に―
池谷幸樹(岐阜県世界淡水魚園水族館)
休憩(15分)
座長:斉藤知己(名古屋港水族館)
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15:00~15:25 のとじま水族館における日本海陸棚底層から陸棚斜面に棲息する生物の飼育と展示
池口新一郎(のとじま臨海公園水族館) -
15:25~15:50 水生生物の多様な生息環境を展示する試み
小木曽正造(東京都葛西臨海水族園) -
15:50~16:15 浅海性魚類における日周活動形成のメカニズム
野口文隆(東海大学海洋科学博物館)
休憩(15分)
座長:松田征也(滋賀県立琵琶湖博物館)
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16:30~16:55 水族館と環境コミュニケーション
大和 淳(新潟市水族館) -
16:55~17:20 「東日本大震災 ふくしま海洋科学館復活の軌跡」~地震・津波・液状化・浸水・停電を乗り越えて~
薦田 章(ふくしま海洋科学館)
17:20~18:00 総合討論
18:00~18:10 閉会のあいさつ 西 源二郎(葛西臨海水族園
ポスター発表
会場:東京大学大気海洋研究所吹き抜け
ポスター掲示期間:12月12日10:00-12月13日16:30
P1 ハナデンシャ(軟体動物門:腹足綱)におけるセノテヅルモヅルを餌料とした長期飼育の可能性
末吉摩耶子(長崎ペンギン水族館)
P2 人工授精したミヤコタナゴの卵および仔魚の展示について
萬 倫一(相模原市立相模川ふれあい科学館)
P3 チャイナバタフライプレコの個体発生から見る底生生活への適応
國居彩子(神戸市立須磨海浜水族園)
P4 小型サンショウウオの保全への取り組み
田上正隆(岐阜県世界淡水魚園水族館)
P5 サンゴタツの初期餌料の研究--摂餌行動と胃内容物
鈴木宏易(東海大海洋科学博物館)
P6 飼育下(水槽内)におけるマンジュウガニ類2種の抱卵行動について
田中宏典 (アクアワールド茨城県大洗水族館)
P7 絶滅しそうなのに忘れられている地域個体群 「涸沼ニシン」
猿渡敏郎(東京大学大気海洋研究所)