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東シナ海および琉球弧の地史と古環境

更新日:2011年11月04日

(11月3日~4日 開催)

東京大学大気海洋研究所 共同利用研究集会

日    時:平成23年10月3日(月)13:00~17:00
                       110月4日(火)10:00~15:30
場   所:東京大学大気海洋研究所 会議室(219号室)
      〒277-8564 千葉県柏市柏の葉5-1-5 TEL 04-7136-6011
コンビーナー:松本 剛(琉球大学・理)
大気海洋研対応者:朴 進午(東京大学・大気海洋研究所)

趣旨:
西太平洋の縁海のひとつである東シナ海は広い陸棚と南北に長い沖縄トラフを有し,琉球弧によって太平洋と隔てられている.現在でもこの地域の構造運動は活発であり,縁海の形成過程を研究する上でモデル海域として注目されている.また,東シナ海を流れる黒潮は世界でも有数の暖流であり,東アジアの気候変動や生物相にも大きな影響を与えている.黒潮の流路や強さは東シナ海とその周辺の地形にも大きく依存するため,この地域の構造発達史と環境や生物相の変遷とは無関係ではない.東シナ海の構造発達史や古環境に関する知見は琉球列島などの陸上地質の研究のみならず,海域での音波探査法を用いた調査や海底から採取された堆積物や岩石などの研究から蓄積されつつある.しかし,これまで東シナ海や琉球弧における科学研究を目的とした掘削は僅かしか例がなく,十分な理解が得られているとは言い難い.このような背景から,近年,東シナ海や琉球弧の掘削を目的としたIODPおよびICDPのプロポーザルが多数提出あるいは提出の準備が進められており,今後の多くの科学的な発見を予感させるに至った.一方,このような国際プロジェクトが数多く始動しているにも関わらず,それに関連した国内の研究集会はまだ限られており研究者間の情報交換の場が少ないのが現状である.そこで本研究集会では,東シナ海および琉球弧の地史や古環境、さらにはこれらに関連する分野の最近の成果について、時代や手法などに囚われることなく広い範囲から研究発表を募集し,この地域の科学上の重要性や今後の発展性などを考える機会としたい.

プログラム

10月3日(月) 
13:00-13:20
・開会挨拶と日韓のこれまでの経緯,松本 剛(琉球大学・理)
13:20-14:40 セッション1
・東シナ海・琉球列島を取り巻く諸問題 -テクトニクス・陸橋・海底扇状地・熱水鉱床・海流-,松本 剛(琉球大学・理)
・北太平洋海洋循環と黒潮変動,田中 潔(東京大学 大気海洋研究所)*招待
・中部沖縄トラフから採取されたコアの花粉化石が示す最終氷期最盛期の黒潮,池原 研(産総研)

14:40-15:20 休憩

15:20-17:00 セッション2
・完新世における東シナ海の水塊変動,久保田好美(東大)、木元克典(JAMSTEC)、多田隆治(東大)
・東シナ海北部(KY 07-04 PC1)の放散虫群集に記録された過去2万年間の海洋環境変動,福田美保(筑波大)・本山功(山形大)・板木拓也・小田啓邦(産総研)・横山祐典(東大海洋研)
・石垣サンゴ骨格に記録された太平洋数十年変動の記録,鈴木 淳(産総研)・三島真理(東大・新領域)・福嶋彩香(東大・理)・高橋ゑり・多比良 仁・鹿園直建(慶応大・理工)・岡井貴司(産総研)・井上麻夕里・川幡穂高(東大・大気海洋研)
・GH11沖縄トラフ海域で採取された堆積物試料の概要,天野敦子(産総研)
・浅海性炭酸塩堆積物に基づく氷期における琉球列島北部の海洋環境 ー氷期にサンゴ礁はあったのか?ー,松田博貴(熊本大学)・町山栄章(海洋研究開発機構)・荒井晃作・井上卓彦(産総研)・佐々木圭一(金沢学院大学)・吉津 憲・三納正美(ミクニヤ)・井龍康文(名古屋大学)・杉原 薫(環境研)・藤田和彦(琉球大学)・山田 努・中森 亨(東北大学)

17:30- 懇親会(講義室2:217号室)

10月4日(火) 

10:00-12:00 セッション3
・琉球層群の堆積史 近年の研究成果に関するレビューと展望,井龍康文(名古屋大学・大学院環境学研究科)
・ 琉球列島の地史・古環境と陸生動物 ー 更新世化石群集における種の豊富さ、そして現生種の描く分子系統地理パタンが示唆するもの,太田英利(兵庫県立大学・自然環境科学研究所)*招待
・石垣島と宮古島の第四紀後期哺乳類化石から何がわかったかー最近の研究成果ー,河村善也(愛知教育大学・教育学部)
・沖縄島周辺の島弧の成立と島弧胴切り断層の発達,荒井晃作・佐藤智之・井上卓彦(産総研)

12:00-13:30 昼休み

13:30-15:30 セッション4
・沖縄トラフの現行テクトニクス,大岩根 尚 (国立極地研究所)
・反射法音波探査による沖縄トラフの海底地下構造.特に中琉球北部海域について,佐藤智之・荒井晃作・井上卓彦(産総研)
・沖縄トラフの掘削で解明すべき課題,新城竜一(琉球大学・理)
・総合討論
・閉会挨拶,朴 進午(東大・大気海洋研)

共同利用

研究集会