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地球最古の海洋堆積物から生命の痕跡を発見! 約40億年前の微生物による炭酸固定の証拠

2017年9月29日

東京大学大学院総合文化研究科・教養学部
東京大学大気海洋研究所
海洋研究開発機構

地球上に生命が存在した証拠をどこまで古い年代に遡ることができるかという試みは、生命の起源を推定する上で最も直接的かつ重要な手法である。東京大学の総合文化研究科小宮准教授らは、39.5億年前の年代を持つサグレック岩体のヌリアック表成岩類を調査し、複数の堆積岩中に微小なグラファイトの粒子が存在することを発見した。これらのグラファイトは堆積構造と整合的に産出しており、当時の海底面に降り積もったものである。大気海洋研究所佐野教授らは、グラファイトと炭酸塩鉱物の炭素同位体比(以下,δ13C値)を気体用質量分析計および二次元高分解能二次イオン質量分析計(ナノ・シムス)を用いて測定し、発見されたグラファイトが、還元的アセチル-CoA経路やカルビンサイクルといった炭素固定経路を経て、生命によって形成されたことを明らかにした。さらに、堆積岩に伴う玄武岩質変成岩の鉱物組み合わせやグラファイトを含む堆積岩中の変成鉱物の化学組成から変成温度を推定し、これがグラファイトのラマン分光分析による結晶化度と矛盾しないことを検証した。これら詳細な地質学、変成岩岩石学や鉱物学的研究結果と、炭酸塩やグラファイトの同位体地球化学的分析結果を統合し、約40億年前の海洋で生命活動が行われていたと結論づけた。この結果は世界最古の生命の痕跡を従来の推定より1.5億年以上遡らせるものである。

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    東京大学大学院総合文化研究科・教養学部プレスリリース(2017年9月28日)このリンクは別ウィンドウで開きます

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