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令和2年度退職教員による図書紹介(川幡穂高 教授)

更新日:2021年03月10日

海洋底科学部門 海洋底環境分野 川幡 穂高 教授

■学生におすすめしたい一冊

吉見俊哉(著)『大学とは何か』
岩波書店(2011年7月刊)
270ページ / 新書判 ISBN:978-4-00-431318-2 価格:860円(税別)

大学は「University」と英訳されるが、「普遍性(universality)」や「学知の宇宙(Universe)」とは何ら関係のない単語である。これは、利害を同じくする学生や教師の「組合団体」の名前だった。12世紀に誕生した大学は、印刷機の発明とアカデミアの時代に役割を一旦終えた。再生は、18世紀前半のフンボルト型大学で始まり、学部講義、演習、ゼミナール、学生実験などの教育コンテンツが発明された。さらに、18世紀後期のジョンズ・ホプキンス大学での大学院が創設され、研究型教育が開始され、現在に至っている。現代は「知の創造」は、国立研究所、民間研究所、メディアでも行われ、インターネットを通じ「知」は世界的レベルで急速に伝播している。「生き残るであろう、価値ある大学が何を提示するのか?」を考えるためにも、この本は重要と思われる。