企画の趣旨

 あらゆる生物はその一生の内に,規模の違いこそあれ,なんらかの移動・回遊を行う。どのようなメカニズムでその回遊は行われているのか?何が生物を移動に駆り立てるのか?またどのような進化の過程を経て現在の回遊行動は成立したのか?生物の移動・回遊に関する疑問はつきない。様々な生物群に見られる多様な移動・回遊現象の実態を俯瞰し,行動のメカニズムと生態的意義を比較することは,生物の移動・回遊行動の根底に潜む共通の原理を探り出すヒントを与えてくれることだろう。クジラ,鳥,ウミガメ,魚,昆虫など,移動・回遊する様々な生物を対象とする研究者達が集まって,最新の成果を交換し,今後の研究展開の方向や研究協力の可能性について議論する場を持つことにした。なお,本研究集会は,引き続いて行われる学術創成研究(新プロ)「海洋生命系のダイナミクス」の2002年度シンポジウムのサテライトシンポジウムとも位置づけて開催される。

 09:30 

 開会の挨拶

 塚本勝巳(東大・海洋研)

 1 移動・回遊と集団構造             座長:西田 睦(東大・海洋研)
09:45 
 アカウミガメの集団構造と回遊  畑瀬英男(京大院・農)
10:15 
 琵琶湖のアユの個体群構造と回遊  井口恵一朗(水産総合研・中央水研)
10:45 
 休憩

 2 移動・回遊と多型・遺伝的多様性       座長:樋口広芳(東大院・農)

 11:00 

 昆虫の分散多型性から見た移動分散性の進化

 藤崎憲治(京大院・農)

 11:30 

 哺乳類の遺伝的多様性に関わる移動・分散について −ネズミ、シカ、クマを例にして−

 齊藤 隆(北大・フィールド科学センター)

 12:00 

 昼食休憩

 3 移動・回遊理解への様々なアプローチ1   座長:後藤 晃(北大院・水産)

 13:00 

 耳石が語る魚類の回遊

 新井崇臣(東大・海洋研)

13:30 
 大型水鳥類の渡り衛星追跡  樋口広芳(東大院・農)
14:00 
 サケ回遊の遺伝子プログラム  浦野明央(北大・フィールド科学センター)
14:30 
 休憩
 4 移動・回遊理解への様々なアプローチ2   座長:藤崎憲治(京大院・農)
14:45 
 移動と回遊の数理的研究  原田泰志(三重大・生物資源)
15:15 
 ウナギの回遊の起源と進化  塚本勝巳(東大・海洋研)
16:00 
 総合討論              座長:前川光司(北大・フィールド科学センター),塚本勝巳(東大・海洋研)
17:45 
 閉会の挨拶  前川光司(北大・フィールド科学センター)
18:00 
 懇親会 (B棟3F セミナー室) 

 お問合わせ

 164-8639 東京都中野区南台 1-15-1

 東京大学海洋研究所 新プロ事務局

 

 Tel. 03-5351-6821, 6822

 

 Fax 03-5351-6822

 

 Mail shin-pro@ori.u-tokyo.ac.jp