ゴエモンコシオリエビShinkaia crosnieri

  • ゴエモンコシオリエビ正面
  • ゴエモンコシオリエビ横
  • ゴエモンコシオリエビ背
  • ゴエモンコシオリエビ腹

基本データ

採集海域:沖縄トラフ,伊平屋海嶺,Pyramidサイト

採集水深:1350m

標本サイズ:甲長約5cm


海底の火山「熱水噴出域」に生息する甲殻類.腹部の剛毛に熱水の成分から有機物を合成する化学合成バクテリアを繁殖させ,摂餌している.太陽光が届かない深海にいる為,体は白色で,目は著しく退化している.

詳細データ

腰の部分が腹側に折れ曲がっている.高温の熱水が噴き出している噴出口近くに集まる等の特徴を有する為,釜湯での刑にされた石川五右衛門(五右衛門風呂の由来でもある人物)に因んで「ゴエモンコシオリエビ」と名付けられた.名前にエビと付くが,実際にはヤドカリに近い.1亜科1属1種の分類学上特異なコシオリエビの1種であり,一次生産を太陽光に依存しない化学合成生物群集の一員である.本種は日本の沖縄トラフとパプア・ニューギニアのビスマルク諸島沖の熱水域に生息することが報告されており,生息域では高い生物量で存在する優占種であることが知られている.また,本種は熱水噴出口に最も近い場所に生息している種であり,その高い熱水依存性と生物量から,日本の熱水噴出域を代表する熱水種の1つと言える.

ゴエモンコシオリエビ詳細画像

CT像の見所

1.腹側に高い密度で密生した剛毛(餌となるバクテリアの付着基盤となる)

2.腹側に折り畳まれた腹節(雌はここに卵を抱える)

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