シマイシロウリガイCalyptogena(Archivesica)okutanii

  • シマイシロウリガイ横
  • シマイシロウリガイ横
  • シマイシロウリガイ背

基本データ

採集海域:沖縄トラフ伊平屋熱水域

採集水深:約1400m

採集方法:しんかい2000


オトヒメハマグリ科に属する大型二枚貝.熱水域と湧水域に生息する優占種.赤い血液と巨大な鰓が特徴.鰓に共生細菌を持ち,それらに栄養を依存しているといわれている.和名はシロウリガイの姉妹種である事に由来.同種が相模湾にも生息している.

詳細データ

シマイシロウリガイは,当初はシロウリガイと同種と思われていた.ところが,遺伝子解析から,シロウリガイと思われていた二枚貝集団が2つのグループにわかれた.それらの形態をよくよく見てみると,いくぶん細長い形態を持つグループを認識できた.それがシマイシロウリガイである.最近になって,さらにもう一種いることが分かってきた(サイワイシロウリガイ).

相模湾のシロウリガイ類の集団は,年に十数回の放卵放精をしているらしく,とにかくたくさんの子供を放ち,新たな生息場(メタン湧水)を探し求めているようだ.なお,共生細菌は卵の段階ですでに共生しており,実は,ミトコンドリアなどと同じように母系遺伝している.共生細菌を親から子へと伝搬する,とんでもない次世代生物である.

CT像の見所

1.美しい貝殻(かたち)

2.4枚の巨大な鰓(スライス)

3.力強い靱帯(スライス;靱帯とは2枚の貝殻をつないでいる構造のこと.CT像で見ると密度が貝殻に近いことがわかる.どうやら靱帯は有機物繊維と,それを補強する鉱物でできているようだ)

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