ヤマトカイロウドウケツEuplectella imperialis

  • ヤマトカイロウドウケツ横

基本データ

採集海域:男女群島南方大陸棚周縁部

採集水深:150m

採集航海:KH68-2 (東京大学白鳳丸)

採集日:1968.5.19


カイロウドウケツは,海綿動物の仲間であり,他の動物がもつ筋肉や神経,内臓をもたない動物である.体表から海水を吸い込むことで,そこに含まれている有機物を栄養にしている.体内は空洞になっていてドウケツエビ類がすむ.

詳細データ

円筒形の本体は,ガラス繊維が網の目のように組み合わさった構造をしている.

また,体の下端からはガラス繊維の束が伸びて泥底に深く張り巡らせることにより直立する.CT像では,L字状に曲がった短い方の綿のように見える部分がこれにあたる(CT装置に入れるためにわざと曲げた).

全体としてガラス繊維で編んだ細長い籠のように見えることから,英語ではVenus Flower Basket(ビーナスの花籠)と呼ばれている.その美麗な姿から,かつて日本では婚礼時の贈り物とされていた.また,ヨーロッパでは中国の精巧なガラス工芸品と間違われ,ドイツの税関が標本に高い税金をかけようとしたという話がある.

CT像の見所

1.この標本にも体内の空洞にドウケツエビがいる.「レントゲン」モードで空洞の下の方に白っぽく光るエビの腕(はさみの部分)が確認できる.「スライス」モードでも確認できる.

2.CTの「レントゲン」モードで,繊細なガラス質の骨格が良く確認できる.

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