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第62回海中海底工学フォーラム

更新日:2018年09月28日

(2018年10月19日 開催)

東京大学大気海洋研究所 共同利用研究集会

日 時 2018年10月19日(金)
第62回海中海底工学フォーラム:
午前の部:研究会:10時00分~12時00分
午後の部:研究会:13時00分~17時00分
IEEE/OES Japan Chapter Young Award2018授賞式:17時10分~17時30分
懇談会:17時30分~19時30分

場 所 午前&午後の部、授賞式:東京大学大気海洋研究所講堂
懇談会:東京大学大気海洋研究所エントランスホール
〒277-8564 柏市柏の葉5-1-5 電話:04-7136-6009(国際・研究推進チーム)

地 図 柏キャンパスアクセスマップ
http://www.aori.u-tokyo.ac.jp/access/index.html

参加費 研究会:無料
懇談会(郵便振替振込み):3000円(30才未満および80才以上無料):
振込先:郵便振替:口座番号00150-8-354229、口座名:海中海底工学フォーラム

主 催 海中海底工学フォーラム運営委員会
共 催 東京大学生産技術研究所(生研研究集会)
協 賛 日本船舶海洋工学会、海洋調査技術学会、海洋音響学会
(公社)土木学会*、(公社)日本水産学会、IEEE/OES日本支部、
MTS日本支部, 東京大学海洋アライアンス
*「土木学会認定CPDプログラム」

URL http://seasat.iis.u-tokyo.ac.jp/UTforum/このリンクは別ウィンドウで開きます

*プログラムは変更になる場合がありますので、御諒承ください。

午前の部:世界の海洋底をくまなく探査する:10時00分-12時00分
1)挨拶 10時00分-10時05分

九州工業大学社会ロボット具現化センター 浦  環 

2)REV Oceanの取り組み 10時05分-10時35分
REV OCEAN Nina Jensen  [講演概要]REV Ocean(レヴオーシャン:https://revocean.org/このリンクは別ウィンドウで開きます)はノルウエーの富豪が、持続可能な海洋保全のために立ち上げたシンクタンクである。海洋に関する知識を向上させ、情報の共有を行うことで、解決策を創造することを目指しており、志を同じくする者達が結集し、新たな海洋行動を起こすための仲介者となろうとしている。このため、2020年までに全長180mの調査船を就役させる。ノルウエーに、海洋生物を救うための研究所「世界海洋本部」を立ち上げる。さらに世界の海洋データプラットフォームを構築する。乗船機会を含めて全て無償で提供される。本講演では、REV Oceanの取り組みについて紹介する。

3)Schmidt Ocean Institute (SOI財団)国際調査航海報告:Adaptive Robotics at Barkley Canyon & Hydrate Ridge 10時35分-11時05分
東京大学生産技術研究所/University of Southampton ブレア ソーントン  [講演概要]Schmidt Ocean Institute (SOI財団:https://schmidtocean.org/このリンクは別ウィンドウで開きます)は、Google の元CEOであるErick Schmidt氏が、海洋に関する科学あるいは技術的なプロジェクトについて、調査、技術、情報の支援を行い、グローバルな海洋科学の最先端を切り拓くことを目指して設立した財団です。調査船Falkorを使った国際航海公募と採択課題による調査航海を実施しています。「Adaptive Robotics at Barkley Canyon & Hydrate Ridge」(首席:ソーントン・ブレア)は、2018年度の航海課題のひとつとして採択され、2018年7月31日?8月17日まで、アメリカ西海岸のBarkley Canyonおよびハイドレート地帯で、複数のAUV(AE2000f、Tuna-Sand, Tuna-Sand2)を用いた海底面の段階的なマッピング調査および船に装備された4,500m級ROV「SuBastian」に搭載した現場型化学分析装置(Raman)による調査を実施しました。本講演では、SOI財団の活動および本航海の成果について報告します。

4)Seabed2030プロジェクト 11時05分-11時30分
GEBCO(大洋水深総図合同指導委員会) 谷  伸  [講演概要]宇宙が人々のあこがれだとすれば、海底は何だろう?月や火星の表面地形が高解像度で隈無く知られているのに、われらが海底では「次の水深点は1000km先で?す」状態である。船舶の航行安全に欠かせない海図ですら、クック船長の測った水深が未だに海図に記載されている。かくてはならじと、津波だけでなく気候変動にも影響を与える全世界の海底地形を2030年までに100%測り尽くすSeabed2030プロジェクトを、日本財団とGEBCOが共同で開始した。本プロジェクトの概要をGEBCO議長が熱弁する。

5)Office of Naval Research(米国海軍研究企画局)での研究開発の仕組みと事例 11時30分-12時00分
Office of Naval Research Global(ONR G)古川 容子  [講演概要]Office of Naval Research (ONR) は、米国の安全保障における科学技術研究の重要性を認識したうえで、海軍省での科学技術研究を推進していくために1946年に設立されました。現在は、(1)学術・基礎・応用研究、そして先端技術開発の企画、(2)各研究機関(大学・国立研究所・企業・非営利研究機関)におけるONR予算を使った研究開発のマネージメント、さらに(3)研究開発結果の応用の促進、をしています。今回の講演では、ONRでの研究開発の仕組みの話と事例を通して、米国全体での科学技術研究開発のエコシステムにも言及します。

~ランチ~

午後の部:未来へのバトン:13時-17時
6)変動する気候と海 13時00分-13時30分

東京大学大気海洋研究所 木本 昌秀  [講演概要]2018年夏は、西日本の大雨と引き続く猛暑等記録的な現象が相次ぎました。地球温暖化は確実に進行しており、天候変動や極端気象の頻発化、激化は一般の人々にも感じられるものとなってきています。本講演では、極端気象イベントやより長期の気候変動への温暖化寄与の見積もり、気温安定化に向けた課題等、気候と海の関わりに触れながら研究や政策の取り組みの近況をご紹介したいと思います。

7)水産の大敵藻類Dinophysis spp.から見える葉緑体獲得進化 13時30分-14時00分
中央水産研究所 本郷 悠貴  [講演概要]ホタテ貝などの貝類は毒化することが知られていているが、その原因は貝類が有毒な藻類を食べて毒を蓄積するところにある。その中でも貝類を食してお腹を下す「下痢性貝毒」の原因種であるDinophysisは水産業上、有害な藻類である。しかし、近年の研究から、Dinophysisは藻類でありながら、自前の葉緑体を持たず、餌の藻類から葉緑体を盗んで自身の細胞内に配置し利用する「盗葉緑体」を行う面白い藻類であることが分かってきた。一般的に藻類(植物)の葉緑体の進化的起源は光合成を行うシアノバクテリアを細胞内に取り込んだことに始まっている。Dinophysisは体外から葉緑体を獲得するという点で、進化研究の好材料である。どのようにしてDinophysisは他者の葉緑体を利用できるようになったのか、遺伝子配列の解析から葉緑体獲得進化について我々の最近の研究を紹介したい。

8)巨大地震とダイナミックな物性変動:室内実験スケールからの挑戦 14時00分-14時30分
海洋研究開発機構高知コアセンター 谷川 亘  [講演概要]東日本大震災では、プレート境界断層先端が大きくすべることで巨大津波が発生し被害が拡大したと考えられている。この大すべりを誘発した原因の一つとして摩擦発熱に伴う間隙水圧の増加による摩擦抵抗の減少が考えられている。間隙水圧が増加するためには透水性が低いことが前提条件となる。その一方で、断層近傍では剪断破壊に伴い、顕著な透水性の増加が期待される。東日本大震災直後に破壊域近傍で間隙水の化学的性質や温度異常が観測されており、一部の異常観測データは断層の透水性の増加によるものと解釈されている。地震性すべり(すべり速度=~1m/s)に伴い断層の透水性がどのように変動するのかは実のところよくわかっていない。そこで、現在、室内実験スケールで透水性のダイナミックな変化を観測・評価する装置の開発をすすめている。摩擦と透水性の関係に焦点を当てつつ、取得データの解釈、およびデータから推定できる断層内動的プロセスについて議論する。

9)洋上風力の最新の内外事情:「黒船はやってくる?」 14時30分-15時00分
京都大学 荒川 忠一  [講演概要]世界において風力発電の設備容量は500GWとなり、原子力のそれを超えて久しい。洋上風力も欧州を中心に20GWに近づき、陸上風力の成長を、10年余ほど遅れて追いかけている。日本は、わずか3GWの陸上風力であり、洋上風力に至っては、高価な36円/kWhの固定価格買取制度を維持しているにも関わらず、商業運転はわずか1台であり、世界に大きな後れをとっている。福島沖の浮体式洋上風力の国プロに巨大な予算を投入しているものの、現在、普及が伴っていない。いまや、欧州そして台湾の成果を生かした海外の風力発電事業者が、日本への進出の機会を窺っているのが現状である。日本としてどんな戦略、戦術で、再生可能エネルギーの中心となる風力発電、特に、洋上風力発電を普及させるべきかを語り、議論する。

~休憩~

10) 水産・海洋科学分野をリードする国際洋上キャンパス
~新長崎丸の紹介について~
 15時15分-15時30分

長崎大学 清水 健一  [講演概要]長崎大学水産学部では,日本海や東シナ海を中心に水圏環境やそこで育まれる生物資源等を対象に、練習船を用いた洋上での水産・海洋科学分野の教育・研究に取り組んできた。昭和61年に竣工した先代(3代目)の附属練習船長崎丸では数々の洋上実習が行われ、海洋調査・観測における科学技術者や航海士の養成の場としても一定の成果を上げてきた。しかし竣工から32年が経過し、搭載機器の更新や時代に合った教育・実習を行う必要から、平成30年3月には新たに4代目長崎丸が竣工した。本講演では今回新たに竣工した4代目長崎丸について、最新の海洋観測設備や船舶装備を主に紹介する。

11) 建造する海底ケーブル敷設船の新しい取り組み 15時30分-15時45分
国際ケーブルシップ(株) 藤井 幸弘  [講演概要]運航している通信ケーブルの敷設・修理船は、その敷設船における機器及び敷設制御システム等利用することで地震津波観測システム及び資源探査システム等の構築に貢献をしている。今回、ケーブル敷設船の更改にあわせ、将来的に多くの需要が見込まれる洋上における再生可能エネルギーへの取り組みを踏まえ、これまで対応してきた工事に加え、電力及び複合ケーブル工事への対応を可能とする自航式多目的ケーブル敷設船を目指し、建造要求事項を取り纏めました。建造仕様最終化後、2018年から建造開始、2019年運航開始を目指し、建造を行っています。新ケーブル船への要求事項と仕様及び建造状況を紹介します。

12) 海中海底工学の現状 15時45分-16時00分
九州工業大学社会ロボット具現化センター 浦  環  [講演概要]本フォーラム62回を通じて紹介してきた日本の海中海底工学の現状について総合的に俯瞰し、明日を見据えます。

13)パネルディスカッション:海中ロボット大衆化時代の水産と工学の連携 16時00分-17時00分
司会:東京大学生産技術研究所 巻 俊宏 
パネリスト:野口 侑要(東大・新領域・博士過程学生)他数名 
[概要]近年、海中ロボットの世界では、ハードウェアの価格が下がり、水中ドローンと呼ばれる低コストROVが海洋調査に使われるようになってきた。また、ソフトウエア開発が進み、AUVへのオープンソースのソフトウエア導入が進みつつある。海中ロボット大衆化時代を迎える近未来の世界では、海中ロボットはどのような場で活躍するのか。一方、日本の水産業は、従事者の高齢化など様々な問題を抱え、抜本的な改革の必要に迫られている。本パネルディスカッションでは、海中ロボットが大衆化した近未来の世界に、求められる水産と工学の連携について、未来を指向する者達が中心となり議論を深める。

IEEE/OES Japan Chapter Young Award2018授賞式 17時10分-17時30分
司会 IEEE-OES Japan Chapter Chair    川口 勝義 
同 Young Researcher Award委員長 林 昌奎 
同  Young Researcher Award幹事 北澤 大輔 

本フォーラム協賛学会のひとつであるIEEE-OES Japan Chapterでは、平成21年度より、将来の海洋研究を担う研究者の育成を目指して、若手研究者による当該年度海洋関連国際学会での優秀発表論文を表彰しております。今回、対象となった国際学会は、OCEANS’18 Kobeです。栄えあるYoung Researcher Award 2018の受賞式を、研究会終了後におこないますので、皆様、よろしくご参加ください。

懇談会:17時30分-19時30分
申し込み先
:東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター   杉松 治美
Tel:03-5452-6487
Fax:03-5452-6488     
E-mail:harumis@iis.u-tokyo.ac.jp
申し込み期限:10月12日(金)までにお申し込みください

共同利用

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