海洋の生物地球化学・生態系の統合研究(IMBER)に関する最近の成果と今後の展望
更新日:2012年05月29日
(平成24年6月4-5日 開催)
日 時:平成24年6月4日(月)13:00~17:30
6月5日(火) 9:30~12:00
場 所:東京大学大気海洋研究所2F 会議室
〒277-8564 千葉県柏市柏の葉5-1-5 TEL 04-7136-6011
コンビーナー:小川浩史、大気海洋研究所・生元素動態分野、hogawa◎aori.u-tokyo.ac.jp
齊藤宏明、水産総合研究センター・東北水研、hsaito◎affrc.go.jp
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趣旨
地球環境研究に関する国際的な中心組織であるIGBP(地球圏-生物圏国際共同研究計画)のコアプロジェクトの一つIMBER(海洋生物地球化学・生態系統合研究)の戦略に沿って、日本においても、物質循環、低次生態系に関する研究が精力的に進められてきている。特に、学術研究船白鳳丸を使った研究航海では、物理、化学、生物の専門家が共同して観測を進め、それぞれの分野から様々な新しい成果が得られてきている。今後、これらの個々の成果を相互に理解し合い、統合しながら、海洋の物質循環、生態系をより包括的に理解する必要がある。また同時に、今後の共同研究航海に対する展望について議論を進めていくことも重要である。本研究集会は、そのための情報交換、議論の場として企画したものである。特に、近年、白鳳丸による物質循環・低次生態系関連航海では、太平洋における南北断面観測が集中的に実施されており(KH-04-4,KH-05-2,KH-08-2, KH-10-1等)、本集会では、これらの航海に参加した研究者を中心に、物質や生物の分布の南北勾配に焦点を当て情報提供と議論を予定している。また、同様に南北断面観測が予定されているKH-12-3次航海の参加予定者による、本航海での研究計画についての情報交換も行う。
プログラム
6月4日(月)
13:00-13:10 「シンポジウムの趣旨説明」 小川浩史(東大・大気海洋研)
座長: 津田 敦(東大・大気海洋研)
13:10-13:35 「西部北太平洋の乱流強度と硝酸塩鉛直フラックス」
金子 仁・安田一郎・小松幸生・伊藤幸彦(東大・大気海洋研)
13:35-14:00 「北太平洋亜熱帯域と熱帯域の海洋表層における近年のCO2増加速度の鈍化とその原因」
石井雅男・小杉如央・笹野大輔(気象研)、延与和敬・中野俊也(気象庁地球環境・海洋部)、
緑川 貴(長崎海洋気象台)
14:00-14:25 「太平洋貧栄養海域におけるナノモルレベル栄養塩の南北分布」
児玉武稔・市川忠史(水研セ・中央水研)、古谷 研(東大院・農学生命)、橋濱史典(海洋大院・科)
14:25-14:50 「太平洋南北断面観測から明らかになった溶存有機物の分布と動態」
山下洋平(北大院・地球環境)、小川浩史(東大・大気海洋研)
14:50-15:15 「白鳳丸南北断面観測から明らかになってきた北太平洋の鉄循環像」
西岡 純(北大・低温研)
休憩
座長: 福田秀樹(東大・大気海洋研)
15:30-15:55「粒子沈降の鉛直変化で調べる西部北太平洋の生元素循環特性」
齊藤宏明(水研セ・東北水研)
15:55-16:20 「南太平洋における細菌の現存量、二次生産、群集構造の緯度傾向」
多田雄哉・永田 俊・浜崎恒二(東大・大気海洋研)、谷口亮人(近大・農)、横川太一(愛媛大・沿岸セ)
16:20-16:45 「西部北太平洋における植物プランクトン群集」
佐藤光秀(東大院・農学生命)
16:45-17:10 「大型動物プランクトン生活史の南北差、その適応と物質循環における意義」
津田 敦(東大・大気海洋研)、下出信次(横浜国大)、高橋一生(東大院・農学生命)
17:10-17:30 総合討論
座長:齊藤宏明(水研セ・東北水研)
6月5日(火)
9:30-12:00 学術研究船白鳳丸KH-12-3次航海における研究戦略について(総合討論)
座長:小川浩史(東大・大気海洋研)