東京大学 大気海洋研究所50年史 1992-2001 東京大学 大気海洋研究所50年史 1992-2001

第2章 海洋研究所の活動の展開と柏キャンパスへの移転

2-5 大学院教育上の問題と対応

2008年4月,本所准教授(新領域創成科学研究科自然環境学専攻協力講座教員)が2005年8月の同専攻入試において入試問題を漏洩したことにより懲戒解雇処分を受けた.監督者責任として,元専攻長は減給,元研究科長と元研究系長は訓告,研究科長と本所所長は文書厳重注意の処分を受けた.総長,教育担当理事および元教育担当理事は給与の一部を自主返納した.本所は,この事件が発覚した後,専攻,研究系,研究科,本学本部と連絡をとりあい,事実調査に取り組むとともに,今後の対策について真摯に検討した.本所は専攻の示した再発防止策に協力するとともに,この事件の原因を本人の資質のみとせず,本所の大学院教育のありかたについて検討した.

2010年3月,本所准教授が2007~2008年にセクシュアル・ハラスメント行為を行ったことにより諭旨解雇の懲戒処分を受けた.監督者責任として,本所所長および元所長は文書による訓告および厳重注意の処分を受けた.本所は再発防止のために,本学主催のものに加えて本所主催のハラスメント講習会を開催し,相談員体制の再整備を行った.両事件をきっかけに,教員研修資料を作成し,新たに着任する教員に対する講習会を行うようにした.