東京大学 大気海洋研究所50年史 1992-2001 東京大学 大気海洋研究所50年史 1992-2001

第1章 気候システム研究センターの設立と発展

1-3 気候システム研究センターの移転

1992年6月の本学評議会において決定された「東京大学キャンパス計画の概要」に述べられているように,本学の3極構造の1極をにない,本郷および駒場とは異なる特徴を有し,かつ相補的な教育・研究組織であるべき柏キャンパスにおける新研究科構想と絡んで,本センターの移転計画が進められていた.1997年3月の新キャンパス等構想推進委員会の中間報告書には,柏新キャンパスに移転予定のセンターとして,人工物工学研究センター,気候システム研究センター等,環境学と密接な関わりを持つセンターが含まれ,協力講座としての参加を期待している,とある.

1999年度からの宇宙線研究所と物性研究所の移転を皮切りに,2001年度には本郷キャンパスから新領域創成科学研究科の各研究系が柏キャンパスに移転していたが,この間に国立大学法人化の動きがあり,本センターの柏移転は進まなかった.2002年初めの補正予算で柏キャンパスにおいて本センターが入る建物の予算が認められ,移転建物関連委員として今須良一助教授が選出された.新しい建物として宇宙線研究所とつながる構造を持つ総合研究棟が2004年度のうちに建つことになり,そこに4つのセンター(本センター,人工物工学研究センター,空間情報科学センター,高温プラズマ研究センター)が入ること,また,本センターは総合研究棟の2階と3階に入ることが決まった.具体的な移転作業は2004年度に入ってから行われた.移転担当委員高薮縁助教授のもと移転の準備を行い,最終的に本センターは,2005年3月に東京目黒区の駒場リサーチキャンパスから柏キャンパスの総合研究棟に,上記3センターと共に移転した.

研究スペースは総合研究棟に1,722m²が確保された.移転に伴い本センター事務部は,柏地区事務部に統合され,総合研究棟に入居する上記の柏4センターを事務支援するセンター支援事務室が設置された.